2018/01/29

ナガボノシロワレモコウの花穂で吸汁するブチヒゲカメムシ



2017年8月下旬

農業用水路沿いの土手に咲いたナガボノシロワレモコウの群落でブチヒゲカメムシDolycoris baccarum)が何匹も訪花していました。
細長い花穂は先端から咲き始めます。
映像前半の個体は、花が咲き終わって実がつき始めた部分で口吻を突き刺し、吸汁していました。
後半では、花穂のあちこちに口吻を突き刺しています。
つぼみからも吸汁していました。
カメムシはやはり、吸蜜ではなくて吸汁なのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ブチヒゲカメムシ@ナガボノシロワレモコウ訪花吸汁
ブチヒゲカメムシ@ナガボノシロワレモコウ訪花+実吸汁
ブチヒゲカメムシ@ナガボノシロワレモコウ訪花+蕾吸汁

2018/01/28

クロマルハナバチ:コロニー衰退の謎【HD動画&ハイスピード動画】



クロマルハナバチの巣:定点観察#11


2016年7月中旬

▼前回の記事
クロマルハナバチの巣に侵入して獲物を探索するクモバチ♀

15日ぶりにクロマルハナバチBombus ignitus)の営巣地へ登ってみると、峠道の側溝に蔓延る雑草がきれいさっぱり刈り取られていて、巣口となっている排水口が丸見えの状態に戻っていました。



巣に出入りするワーカー♀をまず通常のHD動画で記録し、後半は240-fpsのハイスピード動画に切り替えました。(@0:10〜)
帰巣した個体をよく見ても、後脚の花粉籠はすべて空荷でした。

この時期は山地でも蜜源植物の花が不足する夏枯れの季節なのでしょうか?(そうは思えないのですけど…。)

気になったのは、巣に出入りするワーカー♀の数が以前より減っていて、しかも小型のサイズばかりだった点です。
コロニーの食糧事情(幼虫の栄養状態)が悪化したことを伺わせます。
定量的なデータをとった訳ではないのですが、どうもコロニーが以前よりも少し衰退したような印象を受け、心配になりました。
私なりに原因をいくつか考えてみました。

(1)草刈機の激しい騒音・振動などで危険を感じてコロニーの主力が巣から逃去したのかな?
草刈りした結果、巣口の周囲の景色が激変し、迷子になり外役から巣に帰れなくなったワーカー♀が続出したのかもしれません。
帰巣の際に迷子になるワーカー♀を実際に目撃しました。
本来の巣口から1m離れた左隣りの排水口に入ろうとしていました。

草刈りに関連して私が考える悪夢のような最悪のシナリオは、草刈りの作業員によってマルハナバチの巣が発見され、すぐに駆除されてしまった(殺虫剤を散布された)というものです。
もちろん、そんな証拠は無くて、ただの悪い想像(被害妄想)です。


巣口は右側の排水口

(2)法面を補強するコンクリート壁面の排水パイプの奥に営巣していますから、梅雨の時期は巣穴が浸水した可能性があります。
巣内にカビが生えたり営巣環境が急激に悪化したのではないかと心配になるのですが、大丈夫なのでしょうか?
実際、巣口が中からの土砂で埋もれそうになっている点が気がかりです。
こういう非常事態に際してマルハナバチはミツバチのように巣を引っ越して作り直すことがあるのか、興味があります。




(3)もしかすると、クロマルハナバチではなくてコマルハナバチのコロニーなのか?と同定に自信のない私は不安になります。
以前、出巣する個体を採集した標本写真はこちらの記事を参照。
これがもしコマルハナバチの巣ならば、コロニーが繁殖を済ませ営巣を終了する時期がクロマルハナバチよりも早いので、この時期にコロニーの勢いが衰えても不思議ではありません。
しかし、コマルハナバチの雄蜂♂の姿をこの辺りで見かけたことがありません。

加えて、以前に活動していた大型のワーカー♀は、いかにもクロマルハナバチっぽい外見でした。
同定の疑念を払拭するためにもう一匹ワーカー♀を採集したいところですが、コロニーの個体数が回復するのを待つことにして次回に持ち越しました。
(結果的に、これは痛恨の判断ミスでした。)

(4)今思えば、単に観察する時間帯が遅かったせいもありそうです。(午後15:40〜16:20)
この営巣地は里山の北東の急斜面にあるため、午後になると日没よりもずっと早い時刻に太陽が稜線の陰に沈み(
日光がささなくなり気温も下がる)、蜂の外役活動が鈍るみたいなのです。





観察を打ち切って帰る間際に見たワーカー♀は、出巣するとコンクリート壁面の上の斜面に飛んで行きました。

つづく→#12:クロマルハナバチの古巣に侵入を繰り返し獲物を探すクモバチ♀

コロニーの栄枯盛衰をなんとか最後まで見届けたいのですが、どうなるでしょうか?


キンケハラナガツチバチ♀が吸蜜中に交尾拒否



2017年8月下旬

平地の農業用水路沿いに咲き乱れるハチミツソウ(別名ハネミギク)の群落でキンケハラナガツチバチ♀(Megacampsomeris prismatica)が訪花していました。

触角の短い♀が吸蜜しているところへ、触角の長い♂が飛来しました。
特に求愛行動は無くて、いきなり♀に飛びつきました。
キンケハラナガツチバチ♂は3回アタックしたものの、♀にマウントできずに♂は諦めて飛び去りました。
♀の交尾拒否行動は具体的に何をしたのか、よく分かりませんでした。
♀が♂を脚で蹴ったり、後脚を背面に高く挙げて万歳のような姿勢になるのが♂のマウントを妨げる交尾拒否なのかな?
♂が居なくなっても♀は吸蜜を続けます。
後脚も高々と上げなくなりました。


▼関連記事
スペアミントの花蜜を吸うキンケハラナガツチバチ♀(交尾拒否行動の意外な解発刺激)

恥ずかしながら正直に告白すると、私はキンケハラナガツチバチとオオハラナガツチバチの区別がいつも自信ありません。
今回は蜂を採集できていないので、動画をスロー再生で何度も見直すしかありません。
もしかすると、オオハラナガツチバチ♀にキンケハラナガツチバチ♂が誤認交尾を試みたシーンかもしれません。
♀の背板の黄色(白色)帯が3本か4本かが問題になるのですが、薄っすらと4本目が見えている点が不慣れな素人を悩ませるのです。
今回♀にアタックした♂の頭楯は黄色っぽく見え、背板の黄色帯は4本でした。

【参考サイト@平群庵昆虫写真館:オオハラナガツチバチキンケハラナガツチバチ(2)



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