2017/11/06

シロツメクサの花蜜を吸うクロマルハナバチ♀



2017年7月下旬・午前6:58〜7:01・晴れ・気温26.4℃、湿度68%

公園の遊歩道に咲いたシロツメクサの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)の小型ワーカー♀が朝日を浴びながら訪花していました。
この組み合わせは意外にも初見です。
クローバーと一緒に咲いていた別種の小さな白い花(種名不詳)には見向きもせず、シロツメクサで吸蜜をして回ります。
後脚の花粉籠は未だ空荷でした。

ところで、この日の私は短パンを履いていたのでヤブ蚊対策として(私としては珍しく)素足に虫除けスプレーを散布していました。
しかし、私が追いかけたり近づいたりしても虫除けスプレーのきつい匂いを蜂が嫌がっている素振りはありませんでした。
虫除けスプレーの有効成分はきちんと蚊に選択性があるようです。



【追記】
ローワン・ジェイコブセン『ハチはなぜ大量死したのか』によると、
受精が終わって花がもっとも避けたいことは、花粉媒介者たちにその後もかき回されることだ。大事なものを壊されてしまうかもしれないし、いずれにしろ、他の花に行ったほうが花粉媒介者にとっても得である。植物には、一人にしておいて欲しいことを示す方法がいくつもある。受粉が終わると色を変える花もいる。
博物学者のベルント・ハインリッチは、マルハナバチがクローバー(シロツメクサ)の花を訪れるとき、最終的な落ち着き先を選ぶ前に、いくつかの花を拒絶することがよくあるのに気づいた。匂いがヒントになっているのではないかと考えた彼は、実験を行ってみた。(中略)ほとんど何も練習しなかったのに、88%の確率で、マルハナバチがその花を訪れたかどうかを言い当てることができた。まだ蜂が訪れていない花は、甘いシロツメクサの香りが強くしたが、すでに蜂が訪れた花の香りは弱かった。 (p254より引用)
ベルント・ハインリッチは米国の著名なマルハナバチ研究者です。
私も今度、シロツメクサの花がマルハナバチを誘うシグナルとして出している芳香を嗅ぎ分けられるかどうか試してみます。


2017/11/05

ネジレバネに寄生されたキイロスズメバチ♂は飛べなくなる?



2016年10月上旬


▼前回の記事
ネジレバネに寄生されたキイロスズメバチ♂にブドウの果実を与えてみた

スズメバチネジレバネXenos moutoni)に寄生されたキイロスズメバチ♂(Vespa simillima xanthoptera)♂にブドウの実を給餌した後に透明プラスチック容器(苺パックを再利用)に入れると、蓋が無いのにいつまでたっても全然飛び立ちません。
ウロウロと容器内を徘徊するだけです。
脚力も弱っているようで、苺パックの壁面をよじ登れないでいます。

蜂は静止していても忙しなく腹式呼吸しています。
腹節の隙間から覗いて見えるネジレバネをようやくしっかり接写することができました。

キイロスズメバチ♂の運動能力に関しては、山中で見つけた時からずっと飛べないままで、飼育していると次第に歩行までも覚束なくなりました。
給餌して満腹になっても飛べないままなので、飢えて弱っていたのではなくて、やはりネジレバネに寄生されたことによる神経症状なのでしょうか。(寄主の行動操作?!)
それとも単純に、いくら餌を摂取しても寄生虫に栄養が横取りされてしまうのかな?


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


そのまま飼い続けたところ、この3日後にキイロスズメバチ♂は死亡しました。(採集してから4日後)
以下は標本の写真。


寄主の死後、このアングルからはネジレバネが見えなくなった。

フジの花蜜を吸うベニシジミ春型



2017年5月中旬

藤棚で満開に咲いたフジ(藤)の花で春型のベニシジミLycaena phlaeas daimio)が吸蜜していました。
翅を半開きにして日光浴しながら吸蜜しています。
風が強まった後半は、羽を閉じています。

薄紫色の花から花へ飛び立つシーンも撮りたかったのですが、この日は風が強く吹くせいで、ベニシジミは飛ばずに隣の花へ歩いて移動しています。
花穂が風で絶え間なく揺れて、撮りにくいコンディションでした。



ランダムに記事を読む