2017/05/06

ソヨゴの赤い実を採食するツグミ(冬の野鳥)



2017年2月上旬・夕方16:40~17:00頃

雪道の路肩で何やら採食している冬鳥のツグミTurdus eunomus)が気になって、通りを見下ろす向かい側の建物内から動画を撮り始めました。
ここ雪国では除雪車のおかげで車道の両側に雪の壁が高く形成されます。
雪の壁に埋まっていた赤い実を1羽のツグミが探しては啄んでいました。
その辺りは実はちょうどタクシー乗り場になっていて、客待ちのタクシーが並んでいます。
見ている私は初め、ツグミの採食メニューが何か分かりませんでした。
タクシーの運転手が暇つぶしで野鳥に何かを給餌しているのか、それとも赤いジュースを雪にこぼしたのか?と一瞬疑いました。
しばらく観察を続けると、歩道に植樹された常緑樹に赤い実がなっていて、その一部が下に落ちて雪に埋まっているのだと状況が飲み込めました。

この見知らぬ街路樹を後で調べてみると、現時点ではおそらくソヨゴ(別名フクラシバ)の雌株だと思います。
花が咲く季節まで定点観察に通い、樹種をしっかり確かめるつもりです。(※追記参照)
ソヨゴは分布の北限が新潟県と宮城県らしいので、寒冷な山形県で生育可能なのか微妙なところです。

車道を車がひっきりなしに通っても、このツグミはあまり恐れません。
ツグミは路肩から雪の壁を見上げると雪に埋まっていた赤い実を目がけて飛び上がり、ほじくり出して食べる、という行動を繰り返しています。
食後は雪に嘴を擦り付けて拭うこともありました。

ツグミは雪道を2本足でぴょんぴょん跳ねて元気に移動します。
エンジンを掛けたままアイドリングしているタクシーの排気ガスがかかってもツグミは全く気にせず、車の周囲を平気で歩き回っています。

日本の野鳥は一般に嗅覚が鈍いとされているので、排気ガスの匂いを嫌わなくても不思議ではありません。
むしろ排気ガスの温もりが気に入り、積極的に近づいているのかな?と思ったりしました。




落果を食べ終えたツグミは後半になると冠雪したソヨゴの樹上に止まり、枝先に残った赤い実を直接採食するようになりました。

このツグミは通行人も車もほとんど恐れず、かなり大胆というか人馴れした個体だという印象を受けました。
食糧の乏しい厳冬期には食べることで必死なのかもしれません。
歩道を下校中の学童に見つかったときだけツグミは警戒して少し逃げました。
一方、大人は野鳥の営みに全く気付かず無関心に雪道を行き交います。
客待ちのタクシー運転手が車外に出て煙草を吸っている間もソヨゴ樹上のツグミ(約3mの至近距離)は逃げませんでした。(映像なし)




日が暮れると、ツグミはこのまま葉の茂った街路樹ソヨゴの枝を塒(ねぐら)にするかと期待したものの、暗くなるとやがて姿が見えなくなりました。(午後17:20頃)
おそらく塒は別の場所にあるのでしょう。
ちなみに、この日の日の入り時刻は午後17:10。


※ ガラス窓越しに撮った映像はやや不鮮明だったので、動画編集時に自動色調補正を施しています。



以下は2日後に改めて現場を再訪して撮った街路樹ソヨゴ?の写真。
残念ながら赤い実はもう鳥に食べ尽くされて残っていませんでした。

『野鳥と木の実ハンドブック』p22によると、ソヨゴの赤い実を
近くに鳥がいても鳥が食べているところを私は見たことはない。


※【追記】
花を見逃すまいと定点観察に通い続けて6月中旬、ようやくこの街路樹が開花しました。
小さくて白い花はまったく地味です。
どうやらソヨゴで間違いなさそうです。
ソヨゴは雌雄異株です。
この個体は実がなる雌株ですし、花を接写してみると雌しべしか無いことが確認できます。
ちなみに、同じ通り沿いで少し離れたところにソヨゴの雄株と思われる街路樹も見つけることができました。



更に定点観察を続け、2018年1月上旬に撮った赤い実の写真を追加しておきます。



2017/04/19

水平円網の横糸を張るアシナガグモ(蜘蛛)幼体

昔(10年前!)に撮った動画の再投稿です。
シリーズ物なのに、これだけブログに移行し忘れていました。



2007年7月中旬~下旬


卓上蛍光灯の直下に店開きして夜な夜なライトトラップに励むアシナガグモTetragnatha praedonia)の幼体(体長3mm)の造網シーンを動画で記録しました。
粘着性のある横糸を螺旋状に張り進めます。

最後は甑に集中した糸を食い破り、円形の穴を開けます。
完成した水平円網の下面の甑に占座します。



横糸を張る行動を1/5倍速のスローモーションに加工してみました。

2017/01/21

ヤブガラシの花蜜を吸うホソサビキコリとキイロスズメバチ♀の襲撃



2016年9月下旬

川の堤防に咲いたヤブガラシの群落でおそらくホソサビキコリ(Agrypnus fuliginosus)と思われる甲虫が訪花していました。
吸蜜シーンを撮っていたら、突然キイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が飛来しました。(@0:55)
襲撃は一瞬の出来事なので、先ずは1/4倍速のスローモーションで御覧ください。
キイロスズメバチは花上の獲物に飛びついたものの、硬い鞘翅に身を包むホソサビキコリには歯が立たないと判断したようで、すぐに諦めて飛び去りました。
大型で頑強な大顎を有するオオスズメバチなら小型の甲虫もお構いなしにバリバリと噛み砕いたと思います。
サビキコリの仲間が天敵から身を守る毒液やガスを放出するという話は聞いたことがないのですけど、その可能性もひょっとしてありますかね?(毒があるのなら派手な警告色になっていそうなものです。)



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