2016/12/04

池で喧嘩するアオサギ(野鳥)



2016年8月中旬・午前4:44〜5:00(日の出時刻は午前4:57)

早朝の溜池に集結している水鳥の中でアオサギArdea cinerea jouyi)に注目しました。
動きのある部分を編集でまとめましたが、実際はじっと佇んでいる時間が長かったです。

浅い池の中で生じる小競り合いはゴイサギ幼鳥同士だけではなく、アオサギもときどき周囲の鳥(ゴイサギおよびアオサギ)に喧嘩を売って追い払っています。

▼関連記事
ゴイサギ幼鳥同士の喧嘩と威嚇誇示
互いに適度なパーソナルスペースを確保するための争いなのでしょう。
小競り合いの際は低く下げた頭部の羽根が逆立っています。(威嚇誇示の姿勢?)
羽ばたきながら突進すると、どちらかがすぐ逃げ出して決着がつきます。
一羽のダイサギが池に飛来したときは、近くのゴイサギ幼鳥が慌てて飛び退きました。
連鎖反応で次々と喧嘩になり近くのアオサギが怒ってダイサギに向かって行くと、対決を避けるようにダイサギは慌てて空いてる場所に歩き去りました。
ブラインドの陰から見える範囲で数えると、池には最大で計8羽のアオサギが居ました。
ゴイサギ幼鳥が自分より大きなアオサギに喧嘩を売ることは一度もありませんでした。
カルガモが喧嘩に巻き込まれるシーンも見られませんでした。

たまにアオサギは嘴を水に突き刺していますが、獲物は捕食できていないようです。
この池は水深も浅くてドブ臭い状態です。
水鳥の数が多過ぎて、小魚や水生昆虫などの獲物はほとんど獲り尽くされて残っていない気がします。
(餌場としてこれだけ多数の水鳥を養えるのか疑問です。)
朝の水浴びをしに来た訳でもないですし、池に集まる理由が掴めていません。
コロニー(鷺山)が近くにあるので、この池は顔見知りに朝の挨拶をする社交場なのですかね?






ノリウツギの花に群がるキタテハとコアオハナムグリ



2016年8月下旬

用水路沿いに生えたノリウツギの灌木で多数のコアオハナムグリGametis jucunda)と一頭のキタテハPolygonia c-aureum)夏型が訪花していました。
キタテハは日向でも日陰でも翅を開閉しながら吸蜜しています。
コアオハナムグリとニアミスしても気にしません。
ときどきコアオハナムグリの新たな個体が花に飛来します。



クロマルハナバチの巣穴に侵入するクロスズメバチ♀の謎【HD動画&ハイスピード動画】



クロマルハナバチの巣:定点観察#4



▼前回の記事
帰巣時に迷子になったクロマルハナバチ♀

2016年6月上旬・午後15:03〜15:05

クロマルハナバチBombus ignitus)の巣穴を監視していると、なぜかクロスズメバチの一種♀(種名不詳)が飛来しました。
営巣地周辺のコンクリート壁面(法面補強の土留)で何やら探索飛翔していたクロスズメバチ♀がクロマルハナバチの巣穴に侵入したので、驚きました。
しかし侵入者はすぐに出てきて飛び去りました。
蜂の子(クロマルハナバチの幼虫や蛹)を狩って持ち去った様子はありません。
ところがまたすぐに戻って来て、巣穴を記憶するための定位飛行のような行動を始めました。
巣穴に興味を示して、繰り返し物色しています。


クロスズメバチ♀は一体何が目的なのでしょう?
6月上旬なので、地中営巣性の種類のクロスズメバチ創設女王が営巣地を探索中(穴があったら入りたい)とはさすがに考えにくい気がします。
それとも、巣内に貯食された甘い蜜の匂いに誘われたのですかね? 
マルハナバチの幼虫や蛹を狩って捕食する魂胆なのでしょうか?
Vespula属(クロスズメバチの一種)とは限らず、Dolichovespula属(ホオナガスズメバチの一種)かもしれません。
特に、社会寄生種のヤドリホオナガスズメバチの女王だとすれば、大興奮の発見です。(勝手な妄想)

以前も似たような謎の事例を観察しているので、とても興味深く思いました。


この謎の事件は偶然もう一台のカメラでも撮影していました。
次は240-fpsのハイスピード動画によるリプレイをご覧下さい。(@0:44〜4:25、@4:43〜5:23)
巣に出入りするクロマルハナバチ♀の羽ばたきをハイスピード動画に記録しようと愚直に長撮りを繰り返していたのが役立ちました。

クロスズメバチ♀の羽ばたきに煽られて、巣口から芽生えた雑草の葉が揺れています。
ようやく意を決したように巣口のコケに着陸しました。
羽ばたきながら(いつでも飛び立てるように?)歩いて奥に侵入します。
奥にあるクロマルハナバチの巣に達する前にクロスズメバチ♀は後退(退却)し、飛び去りました。
奥からクロマルハナバチのワーカー♀が出てきて撃退した様子はありません。
巣に出入りするクロマルハナバチのワーカー♀とクロスズメバチがニアミスしたらどうなるのか、非常に興味があります。
クロスズメバチ♀は定位飛行で巣穴の場所を記憶して、また戻って来るつもりのようです。
案の定、クロスズメバチ♀はしつこく再訪し、巣穴に興味を持って調べています。

この間、巣内からクロマルハナバチのワーカー♀が出てきて侵入者を勇敢に撃退したり威嚇したりすることは一度もありませんでした。
この時期は未だワーカーの個体数が少なくて、コロニーを防衛する要員が居ないのですかね?
クロマルハナバチ創設女王は身の安全を最優先して籠城する(巣内で身を潜めている)のは理解できます。
スズメバチと1対1で戦っても勝ち目は無いでしょう。
マルハナバチがニホンミツバチのような蜂球作戦でスズメバチと戦いコロニーを死守するという話は聞いたことがありません。

そもそも、スズメバチがマルハナバチの巣を襲撃して蜂の子を狩る例があるのかな?

謎の侵入者クロスズメバチが飛び去った直後に帰巣したクロマルハナバチのワーカー♀が興味深い行動を示しました。(@5:23〜)
なぜか入巣せずに飛び去ったのです。
辺りに漂うクロスズメバチの残り香を嫌って慌てて逃げたのか?と想像を逞しくしました。
もし2種が鉢合わせ(蜂合わせ)していたらどうなったのか、非常に興味があります。


このクロスズメバチを同定するために、ありあわせのビニール袋を使って急遽採集しました。
そこまでは良かったのに、せっかく捕獲した蜂をしっかりした容器に移さず、そのまま放置してしまいました。
意気揚々とクロマルハナバチの撮影に戻ったら、クロスズメバチ♀はいつの間にか袋を噛み破って脱出していました。
我ながら間抜けな大失態で、悔やんでも悔やみ切れません…。
謎の侵入者の正体は分からず仕舞いです。

ここまで#1〜4が巣を見つけた観察初日の記録です。

つづく→#5




【追記】
松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』で集団攻撃法を比較行動学的に論じた章を読むと、
 マルハナバチの反撃法は、やや消極的である。それは、巣にいたる坑道上や、巣の上で仰向けになって、毒針をちらちらさせるという、変わったやり方である。しかし、熱帯では、巣外に飛びだしてきて攻撃する種も多いといわれているので、巣をねらう天敵しだいで、攻撃性も変わってくるのかもしれない。 (p236より引用)
私は未だ見たことがないので、いつか観察してみたいものです。

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