2016/11/12

ヒマラヤスギ並木に塒入りするムクドリ(野鳥)の群れ



2016年7月下旬・午後18:53〜19:07

▼前回の記事 
ムクドリ(野鳥)小群が前日の就塒前集合場所を経由して塒入り
高圧線の鉄塔B#29に就塒前集合していたムクドリSturnus cineraceus)の大群はヒマラヤスギの並木に塒入りしました。
針葉の茂った梢の枝にかなり密集して騒々しく鳴き交わしています。
群れ全体が塒内でしばらくは落ち着かず、枝から枝へ飛んで移動しています。
着陸直前にホバリング(停空飛翔)しています。
西の夕焼け空を背景にヒマラヤスギ樹冠を飛び回るムクドリのシルエットが美しいですね。

ヒマラヤスギの並木は大小合わせて計10本植栽されていました。

余談ですが、名前とは裏腹にヒマラヤスギはマツ科です。
残念ながら勝手に立ち入れない敷地にあるため、暗くなってからの撮影や観察はできませんでした。

この日の公式な日の入り時刻は午後18:49。

前の晩は運動場(グラウンド)の反対側に位置するケヤキの並木にムクドリは塒入りしました。

▼関連記事 
ケヤキ並木に塒入りするムクドリ(野鳥)の大群
本に書いてあった通り、ムクドリは必ずしも毎晩同じ場所に集団就塒するのではないことが分かりました。
実はこの日の晩に、件のケヤキ並木を集団塒としたのは別の種類の野鳥でした。

つづく→ケヤキ並木に塒入りするスズメ(野鳥)の群れ






ムクドリ(野鳥)小群が前日の就塒前集合場所を経由して塒入り



2016年7月下旬・午後18:57〜18:58
▼前回の記事
日没と同時に就塒前群飛を始めるムクドリ(野鳥)の大群

日没直後に高圧線の鉄塔B#29から一斉に飛び立ったムクドリSturnus cineraceus)の大群の後を慌てて追いかけます。
ムクドリの群飛を見失ったのでまずは前日に就塒前集合した鉄塔A#30に戻ってみました。(鉄塔A#30、B#29は隣接して建てられ、地図上では340m離れています。)
前の晩には鉄塔A#30から真下のケヤキ並木に塒入りしたのです。

ハシボソガラスは居なくなっていたのに、ムクドリは小群しか鉄塔A#30に飛来しませんでした。
前日の記憶が強く残っている一部の群れだけが再集合しているのでしょうか?
それとも遅くまで採餌していた群れが就塒前集合に遅刻したのかも知れません。
鉄塔A#30に止まりかけたもののすぐに飛び立ち、ヒマラヤスギの方へ向かいました。
群れの本体が既にヒマラヤスギに集結しているようです。
リーダー不在の意思決定を目の当たりにして興味深く思いました。
鳴き声によるコミュニケーションがどのぐらい関与しているのでしょうか。


この日のムクドリの集団塒はケヤキではなく、ヒマラヤスギの並木でした。
ケヤキ並木に塒入りしなかった理由も後述します。

この記事のタイトルの付け方が難しい…。
どうもしっくりくるタイトルが思いつきません。
「前日の就塒前集合場所に少しこだわるムクドリ(野鳥)の群れ」

つづく→ヒマラヤスギ並木に塒入りするムクドリ(野鳥)の群れ


夜メマツヨイグサの花でホバリング吸蜜するスズメガの一種【暗視映像】



2016年7月下旬

住宅地の道端に咲いたメマツヨイグサの群落で夜、スズメガ科の一種が訪花していました。
暗闇でホバリング(停空飛翔)しながら吸蜜する様子を赤外線の暗視カメラで撮り始めたものの、すぐに逃げられてしまいました。
同定用の、写真も撮れていません。



Newton special issue『植物の世界―ナチュラルヒストリーへの招待〈第2号〉』p12によると、
淡い光でも目立ち、やわらかな香りを放つこの花(オオマツヨイグサ)には、スズメガの仲間がよく訪れる。花粉は粘着糸でつづられていて、ガに一部でもつくと、ぞろぞろと多量の花粉がからみついていく。



十亀好雄『ふしぎな花時計:身近な花で時間を知ろう』によれば、
マツヨイグサの仲間は、花粉がねばりけのある糸で数珠のようにつながっていて、夜、スズメガなどがやってくるとその体にまとわりついて、たくさんの花粉を一度に運ばせることができるしくみをもっています。(p113より引用)


▼関連記事
メマツヨイグサの花粉は糸を引いて粘る



翌日の晩にも現場を再訪しました。
記録映像として同じ群落のメマツヨイグサを白色LEDで照らしながら撮っていたら偶然、開花の瞬間に立ち会えました。
微速度撮影や早回し映像にしなくてもリアルタイムで蕾がポンと解けて直径5cmほどの黄色い花がみるみる内に広がります。
花の芳香が強く素晴らしいのは、夜行性のスズメガを誘引して花粉を運んでもらうためです。
昨年は切り花を室内に持ち込んで開花の瞬間を撮影しましたけど、野外で直に観察できたのは非常に幸運でした♪

▼関連記事
夜に開花するメマツヨイグサ




【追記】
加藤真『夜の送粉共生系』によると、
アカバナ科のマツヨイグサ類などはスズメガ媒花として適応放散した一群である。日本のスズメガ媒花はひじょうに少ない。(中略)日本産スズメガの種数はけっして少なくはないが、琉球列島を除けばその多くはマルハナバチ媒花の盗蜜者の地位にあると思われる。 (『花の自然史:美しさの進化学』p82より引用)



【追記2】
夜行成果薄明薄暮性の蛾に受粉を依存する植物(ガ媒)の花は、以下の特徴をもつことが多いといわれています。
  • 夜か薄明の時間帯に咲く。
  • 花の色は白科緑、薄色系、または褐色。
  • 花筒か距が発達して細長く、花蜜が奥深くに隠れている。
  • 葯や柱頭が外に向かって飛び出しているものも多い。
  • 強くて甘い香りをもつ。
  • 花蜜の濃度は薄い。 (p65より引用)

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