2016/06/12

サブの集団塒Nに飛び込むハクセキレイの羽ばたき【ハイスピード動画】




▼前回の記事 
メインの集団塒Sに飛び込むハクセキレイの羽ばたき【ハイスピード動画】

ハクセキレイ♂(野鳥)集団塒の電柱:定点観察#5

2016年5月上旬

日没の前後にメインではないサブの集団塒(電柱N)に塒入りするハクセキレイMotacilla alba lugens)の様子を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。(午後18:24〜18:36)
ちなみに、この日の日の入り時刻は午後18:31。
車道を隔てて反対側の電柱S(メインの集団塒)に比べて集まる個体数は少ないものの、必ずサブの集団塒を利用するハクセキレイが居るのです。
1〜2羽ずつ飛来すると、まずは近くの電線に止まります。
2羽が追いかけっこしながら飛来したときは、別々の場所に止まりました。
塒内で位置取りの争いが頻発し、薄暮の空を背景に空中戦になります。
塒内で1羽が少し飛んで移動すると、連鎖反応で小競り合いの空中戦が始まることがあります。



【おまけの動画】
同じ日の塒入りを通常のHD動画でも記録しています。(午後18:13〜18:50)
行き交う車の走行音に混じってハクセキレイの鳴き声も録音されています。
二つの集団塒(電柱N、S)の両方を交互に写しました。
集団塒となった2本の電柱N、Sは車道の両側に立ち、互いに2本の電線で結ばれています。


電柱S@18:14 pm

一番乗りで電柱Sのてっぺんに止まった個体の就塒時刻は18:13でした。
空は夕焼けで薄いピンク色に染まっています。
飛来する鳥は、波状に飛ぶハクセキレイ独特の飛び方です。

車道沿いの水銀灯が点灯したのは午後18:27でした。
各々が塒内で少し飛んでは移動を繰り返します。
電線で羽繕いしたり、電線を歩いて電柱に近づく個体も居ます。
メインの集団塒(電柱S)の柱上変圧器は、おそらく予熱で暖かく人気の特等席なのでしょう。
この泊まり場所を巡り空中戦になります。
トランスの手前で見事なホバリング(停空飛翔)を披露してくれました。
ホバリングはいかにも体力を消耗しそうなのに、元気いっぱいです。
連鎖反応で生じた空中戦も見応えがあります。
やがて夕焼け空ではなくなり、いよいよ暗くなってきました。

ラストシーンで注目したのは集団塒の近くにある看板です。
某お店の看板から左右に棒が何本も伸びて、その先に看板を照らす照明が取り付けられています。
眩しいライトの真横に1羽のハクセキレイが止まって頻りに鳴いています。
昆虫が明かりに誘引されて飛び回っているので、虫を捕食するのかと期待したのですが、そのような展開にはなりませんでした。
ハクセキレイの世界にも夜遊びしたがる門限破りの個体が居るのでしょう。


最後に、バイブルから印象に残った一文を引用して終わります。
集団塒の成員が、血縁集団なのか、地域的な結びつきのある集団なのか、あるいはまったくの混合集団であるのか。雌雄の比率や年齢構成なども興味ある研究テーマだ。しかし、こうした鳥の群れを研究する場合、群れ全体を掌握できるような研究方法そのものが確立していないのが現状である。(『ネオン街に眠る鳥たち:夜鳥生態学入門』p234より)
鳥の大群を、どの角度からどんな方法で切り開けば、より正確に全体を把握できるのか、私にはまだわからない。(同書p235より)


つづく→#6:早朝ハクセキレイ♂(野鳥)の群れが集団塒の電柱から飛び立つまで


電柱S@18:50 pm

ヒヨドリバナの花蜜を吸うサカハチチョウ夏型



2015年7月下旬

山間部の道端の斜面に咲いたヒヨドリバナの群落で夏型のサカハチチョウAraschnia burejana)が訪花していました。
翅を開閉しながら一心不乱に吸蜜しています。
意外にもこの組み合わせは、こんちゅーぶ!初登場。



ニンジンを師部だけ食すヒダリマキマイマイ【10倍速映像】



2016年5月上旬

交尾していたペアを含め路上で見つけた計3匹のヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)を飼育するために採集して持ち帰りました。
余談ですが、個体識別するつもりで、右に居た個体から順にa,b,cとメモした紙片を一緒に個別のビニール袋に入れました。
ところが帰宅するまでにラベルの紙片が食べられていました。
童謡「やぎさんゆうびん」みたいな間抜けな話。
カタツムリが紙を食べることを忘れていました。
こんなことなら、現場で殻に直接マジックペンでマーキングすれば良かったですね。
飼育下でもう一度交尾行動を観察したかったのですが、元々どのペアが交尾していたのか分からなくなってしまいました。

とりあえず餌としてニンジンを輪切りにしたヘタを与えてみました。(過去の飼育時にも気に入ってくれました。)

ニンジンを食べる様子を微速度撮影で記録したので、10倍速映像をご覧ください。
カタツムリは輪切りにした人参の外側の層だけを食べ進め、中央部の芯には決して口を付けずに残すことがいつも興味深く思います。
形成層の外側は養分の通路となる師管などの集合した師部組織です。
日本植物生理学会のサイトで、この問題を化学的に考察した記事を見つけました。


食痕。見事に師部だけ抉り取るように食べた。隣のジャガイモには殆ど口を付けず。

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