2016/06/06

ヨシの葉に残るオツネントンボの産卵痕



2016年5月上旬


▼前回の記事
♂が離れた後も単独で産卵するオツネントンボ♀

オツネントンボ♀(Sympecma paedisca)の産卵地点となった湿地帯を4日後に再訪してみると、水溜りの水が少し干上がりかけていました。

産卵したヨシの生えた手前の岸辺から水溜りが干上がってる。

2日前に産卵したヨシの葉を探してマクロレンズで接写してみると、粒状の点列が並んでいました。
葉縁に朝露の水滴が光っています。

ミミズ腫れのような刺青のような産卵痕が並んでいます。
強拡大しても残念ながら倍率不足で卵の中はよく見えませんでした。
胚の頭の向きは♀の産卵姿勢に対してどちら向きなのか知りたかったのですけど、やはり本格的な顕微鏡が必要になりそうです。
もしかすると、葉裏から観察した方が見え易いのでしょうか?

孵化のシーンを観察したいので、葉ごと採集して持ち帰り飼育すべきかどうか悩みます。
現場に残しても、このまま雨が降らなければ水溜りが完全に干上がってしまい、孵化したヤゴは生き残れないでしょう。
未経験の私が採取したら植物体を枯らしてしまいそうですが、中の卵も死んでしまうのではないか?という不安があります。
「近畿地方のトンボ雑記」サイトでオツネントンボの孵化を観察した記録を見つけました。
それによると、

最短卵期は11日,平均卵期(半数孵化)は13日でした.


つづく→





2016/06/05

メインの集団塒Sに飛び込むハクセキレイの羽ばたき【ハイスピード動画】



2016年5月上旬・午後18:49

ハクセキレイ♂(野鳥)集団塒の電柱:定点観察#4


6日ぶりの定点観察に来ました。

▼前回の記事
ハクセキレイ(野鳥)雨の日の集団就塒
ちなみに、この日の日の入り時刻は午後18:31。
既に日が落ちた後で薄暗く、かなり厳しい条件かもしれませんが、電柱に塒入りするハクセキレイMotacilla alba lugens)の羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
車道や近くの店舗を照らす多数の外灯や照明のおかげで辛うじて撮れました。(ハイスピード動画撮影の限界に挑戦)

まずはメインの集団塒で柱上変圧器のある電柱Sに注目してみます。
暗くてほとんど鳥のシルエットしか見えませんけど、元々ハクセキレイは白黒の鳥なので問題ないでしょう。
スローモーションで見ると、着陸する前などに見事なホバリング(停空飛翔)を披露しています。

塒の中でもどうやらお気に入りの特等席がある印象です。
割り込みたい場所の目の前でホバリングしても、先客は動じません。
先住者効果があるのかな?
もしかすると激しく鳴き交わして撃退しているのかもしれませんが、残念ながらカメラの仕様によりハイスピード動画で音声は録音されません(無音状態)。
実際は夕方の通りを行き交う車の騒音がうるさくて、鳥の鳴き声はなかなか聞き取りにくいのです。
陣取り合戦になって争う空中戦も見られました。
順位の高い個体ほど塒内の位置取りで有利なのでしょう。
例えば他個体の排泄した糞が落ちてきて直撃するような場所は夜を過ごす塒として明らかに良くないと予想できます。
追い出された弱い個体や若い個体は、サブの集団塒(隣の電柱N)に行く羽目になるのだと思われます。
こうした小競り合いが塒入りの度に毎夕行われるとなると、なかなか体力を消耗しそうです。
ハクセキレイの群れを個体標識してきちんと調べれば、きっと面白いに違いありません。

(ハクセキレイは)日中は離れて採食しているが、夕方になると水田などの開けた場所に集まりはじめ、小集団でねぐらへ向かう。そして大木の枝や橋の下、市街地の街路樹や看板などに多数集まって眠る。ときには1000羽以上集まることもある。(『日本動物大百科4鳥類II』p77より)





【おまけの動画】
2016年5月上旬・午後18:28〜18:49

個人的な記録として残したい方はこちらのロングバージョンです。
同じ日の晩に同じ電柱Sにハクセキレイが続々と集まってくる様子を、時間を遡ってもう少し明るいうち(日没直前)からハイスピード動画に記録しました。
やや引きの絵でも撮っています。
再生時間が長過ぎる動画はどうしても敬遠されるので、就塒の最後だけ抜粋したショートバージョンも制作し、ハイライトとして先に紹介しました。

就塒の初期段階は電柱自体よりも電線や細いケーブルに多くの個体が止まっています。
これから徐々に電柱に集結します。
塒内の位置取りは決して早い者勝ちという訳ではなく、互いに牽制し合って(小競り合いで)決まるようです。
塒内で落ち着くまでに何度も塒入りをやり直し、少し飛んでは泊まる場所を変えています。
小競り合いの空中戦がアクロバチックな連鎖反応になることもあって、見ていて飽きません。
夕焼けがもっときれいな晩だと一層フォトジェニックな映像になったでしょうね。

つづく→#5:サブの集団塒Nに飛び込むハクセキレイの羽ばたき【ハイスピード動画】


フキバッタの死骸を運ぶクロヤマアリ♀



2015年8月中旬

峠道でフキバッタの一種にクロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が群がり、死骸を巣に運んでいました。
獲物は未だ五体満足ですが、多数のアリが噛み付いたり脚を引っ張り合って引き千切ろうとしています。
やがて死骸は解体されることでしょう。



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