2015/07/27

分散移動を始めたノシメマダラメイガ(蛾)終齢幼虫




ノシメマダラメイガの飼育記録#13

▼前回の記事 
チョコの食べ過ぎで桃色になったノシメマダラメイガ(蛾)幼虫

2015年6月中旬

ノシメマダラメイガPlodia interpunctella)の幼虫が育って終齢に達したのか、飼育容器の壁を登る個体が次々と現れました。
容器の垂直壁面(高さ8cm)の上端までやすやすと達し、蓋を開けたままでは脱出してしまいます。
容器の縁から上半身を大きく乗り出しているときに口から吐糸しているのが見えました。
少し滑落しかけましたが、命綱のおかげで無事でした。
プラスチック容器の蓋の裏に張り付いて徘徊している個体もいます。

過密や餌不足のために分散するのか?と初めは心配でした。
しかし、ノシメマダラメイガ用フェロモントラップの商品説明に次の一文を見つけました。

蛹になる前の終令幼虫は広範囲に分散する習性があり幼虫は穿孔能力が強く、食品包材を穿孔し、内部に侵入します。
それなら分散移動中の終齢幼虫を隔離すれば蛹化してくれるのか?と思い、実際に1匹隔離してみたのですが、なぜか上手く繭を紡いでくれませんでした。
そこで構わず密閉容器内で大量飼育を続けることにしました。

※ 映像中盤のプラスチック容器越しに接写したシーンのみ自動色調補正を施しています。

つづく→#14:成虫の飛翔【ハイスピード動画】




2015/07/26

夜も巣に出入りするムネアカオオアリ♀【暗視映像】


2015年6月中旬・午後18:43〜18:50
▼前回の記事
木造家屋に営巣したムネアカオオアリ♀

ムネアカオオアリCamponotus obscuripes)の巣を見つけたその日、暗くなるのを待って様子を観察してみました。
赤外線の暗視カメラで撮ると、巣口から門衛が警戒しています。
やがて慎重に外へ出て来ました。
昼間と同じルートで板壁の下端とコンクリート土台の境界に沿って横に移動して行きます。
帰巣する個体もいます。
ワーカー♀同士が出会うと触角で挨拶しています。
♪アリさんとアリさんがこっつんこ

結論として、日没後も昼間と全く変わらぬ様子で採餌行動に出かけていました。
アリは視覚にあまり頼らないので、外の明暗には関係なく一日中働けるのかもしれません。
もっと夜が更けた時間ならどうでしょうか?(アリは眠るのかな?)


ビニール袋内で刺激発光するゲンジボタル♂【暗視映像】



2015年6月中旬


▼前回の記事
ゲンジボタル♂を見つけた!【暗視映像】

動画に撮った蛍の種類を同定するため、いつもポケットに忍ばせてあるビニール袋で捕獲しました。
袋の中で腹面を見せて発光していますが、暗闇ではAFのピントを合わせにくいです。
腹端2節が光っているので♂と判明。
赤外線の暗視動画に切り替えても発光は持続的で明るく撮れました。
この光り方は、蛍が身の危険を感じて緊張・興奮している刺激発光でしょう。
次に白色LEDを点灯して胸背の黒紋を見るとゲンジボタル♂(Luciola cruciata)と分かりました。

『カラー自然シリーズ46:ホタルのくらし』p7。によれば、

風が吹いてきて体にあたったり、歩いているときに、あしをすべらせて体が不安定になったりすると、急に強い光をだす光りかたを刺激発光と呼ぶらしい。




『日本の昆虫12:ゲンジボタル』p62によれば、
透明なビニール袋やプラスチック箱に発光するゲンジボタルの♂を入れておくと次々に他の個体が誘引される。
これが本当かどうか、次回に試してみます。


『生き物をめぐる4つの「なぜ」』p100-101によると、
(ホタルの)発光器には顆粒状の発光細胞の層と、光を反射する反射板とがあります。反射板は発光細胞のうしろにあり、尿酸塩の結晶をたくさん含んでいます。そして、その部分の皮膚(昆虫では表皮と言います)は色素がなくて透明になっています。


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