2015/03/22

ウツギの花粉団子を作るウツギヒメハナバチ♀【ハイスピード動画】



2014年6月中旬

堤防に咲いたウツギの群落で多数のウツギヒメハナバチ♀(Andrena prostomias)が採餌のため訪花していました。
次の花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード・マクロ動画に撮り始めても、なぜか身繕いばかりしてなかなか飛んでくれない個体がいました。

▼関連記事
ウツギを訪花するウツギヒメハナバチ♀の羽ばたき【ハイスピード動画】
普段なら編集で容赦なくカットするのですが、花粉まみれの体を身繕いする行動のスローモーションもそれなりに価値があるのではないかと思い直しました。

体に付着した花粉を前脚→中脚→後脚とリレーのように移し替え、最後は後脚の花粉籠になすり付けています。
身繕いしながら舌を出し入れしています。
もしかするとミツバチで知られているように、吐き戻した花蜜で花粉を湿らせて粘性の高い団子を作っているのですかね?
ウツギヒメハナバチが吸蜜中に無理な体勢になると、後脚の花粉団子が大きく二つに割れることがあります。
それでも花粉団子の塊は崩れたりこぼれたりしないのが不思議でした。
花粉籠の特殊な毛束に花粉を押し付けるだけで団子状にまとまるのかな?

※ 複数個体を撮りましたが、同所性同胞種のコガタウツギヒメハナバチ♀(Andrena tsukubana)も混じっているかもしれません。
花粉まみれの状態ではよく似た二種を見分けられません。

蜂に集紛採餌され尽くされたウツギ花の葯は真っ白になっていました。


猿害対策としてロケット花火を発射



2014年11月中旬

▼前回の記事
刈田で落穂拾いするニホンザルの群れ【後編】

イネの落ち穂を採食する野生ニホンザルMacaca fuscata)の群れはのどかな光景に見えましたが、夕方になり私が撮影を終えて帰りかけると状況は一変しました。
ニホンザルを山へ追い払うため1台の軽トラックが集落からやって来ました。
農道を走る車の窓から山に向かってロケット花火を発射しています。
既に田んぼには猿の群れの姿は見えず、山へ逃げ帰ったようです。
それでも山の端で停車して何発も連射すると、ロケット花火の白煙が辺りに立ち込めます。
※ YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。




晩秋の落ち穂拾いという行為そのものに実害はありません。
しかし調子に乗って里に出没されると近くに野菜畑もありますし、農作物を食い荒らされて深刻な猿害となってしまいます。

どうしても山に帰ってもらわなくてはなりません。
賢い猿を相手にロケット花火を射っても、すぐに慣れが生じてしまって(無害と学習して)
イタチごっこになるのでは?と気の毒になります。
▼関連記事 
猿害対策の爆竹の効果
野生ニホンザル♂の爆竹音に対する反応
広い農地の境界に電気柵を張り巡らすのは莫大な費用がかかるでしょう。
「犬猿の仲」を利用して、農村部だけでも犬の
放し飼いを認めてもらえれば一番安上がりに猿害対策できそうな気がするのですけど、何事につけ反対派がいるのでしょう。
ヒトがイヌに咬まれる事故が起きるコストの問題。



宮崎学、小原真史『森の探偵―無人カメラがとらえた日本の自然』によると、
つい50年前までは中山間地の村では、イヌは放し飼いにされているのが普通で、山から村にやって来る野生動物たちを追い返すのは、重要な役割のひとつでした。(中略)だから獣害の増加というのは、イヌの飼われ方の変遷に原因の一端があると僕は思っています。長野県のように放し飼いの特区を設けた自治体があったり、猿追い犬の「モンキードッグ」の育成をしているところもあるけれど、まだまだ認識不足でしょう。これだけ獣害が増えてきているわけだから、イヌの存在を見直す時代に入ってきているはずです。 p271〜275より引用)
長野県に番犬を放し飼いできる特区があるというのは初耳でした。
私もこの方策に賛成です。



都会の方々にお願いしたいことは、田舎にドライブに来て観光地などの道端や山林で野生ニホンザルに出会っても「かわいい〜♪」と餌を与えたり安易に「ふれあい」を求めたりすることは絶対にしないで下さい。



【追記】
あんずゆき『モンキードッグの挑戦: 野生動物と人間の共存』を読むと、ロケット花火にニホンザル防除効果はあまり期待できないようです。
ロケット花火でサルが逃げるのは、その時だけ。人間が徹底して追い払わないと、サルはまたやって来る。 (p123より引用)

里に下りれば、畑にはクズ野菜が残っていて、それはサルにはご馳走。野生動物の食害を防ぐためには、畑にクズ野菜を残したり、ゴルフ場で生ゴミを捨てたりといった、無意識の餌付けを止めることが大切 (p125より)


ふつう、サルは火薬の匂いや、銃の音で逃げるんですけど、少し離れて様子を見ているサルがいて、それがまた戻って来る。 (p128より)

電気柵。サルも最初は針金にふれて、一瞬、びっくりするけど、「大丈夫だ」って学習すると、平気で入ってくる。 (p71-72より)



白梅と桜の花蜜を吸い鳴くヒヨドリ(野鳥)



2014年4月下旬

ヒヨドリHypsipetes amaurotis)がウメ(白梅)と桜(おそらくソメイヨシノ)の花で吸蜜していました。
嘴が黄色い花粉に染まっているので、梅と桜の受粉を手助けしていることが分かります。
食事の合間に多彩な鳴き方を披露してくれました。(縄張り宣言や警戒声など、それぞれの意味を知りたいものです。)

【追記】
白梅への訪花シーン(@0:00〜2:40、3:05〜3:49)と桜への訪花シーン(@2:40〜3:04、3:50〜7:21)が混じっていることに気づいたので、タイトルなどを訂正しておきます。
この間違いは恥ずかしい…。
同一個体と思われるヒヨドリが隣り合う庭木に代わる代わる訪花していたようです。
樹種別に動画を分けるべきでした。






ランダムに記事を読む