2015/02/01

杉林の下草を採食するニホンカモシカ(耳毛カール)



2014年10月中旬

里山の林道(砂利道)を下山中に、前方の斜面に動くニホンカモシカCapricornis crispus)を発見。
杉木立の間からカモシカが頭を下げて下草を採食しながらこちらにゆっくり向かって来ました。
私は立ち止まって静かに撮影開始。

目が合って私に気づくと、睨み合い。
これまでの経験からカモシカは近視だと思っていたので、視力が良い個体もいるのか!(珍しいこともあるもんだ)と少し驚きました。
視覚ではなく嗅覚で私の存在がバレたのかもしれません。(後で風向きを調べるのを忘れました。)
濡れた鼻先をヒクヒクさせ、左耳を特によく動かして辺りの物音を探っています。


やがてフシュフシュ♪と鼻息を鋭く吐いて執拗に威嚇を始めました。
林道は緩やかな下り坂になっており、私がカモシカよりも僅かに高い位置にいたので警戒されたのかもしれません。

カモシカは原則として単独で暮らし、縄張り意識が強いと言われています。

山中でニアミスしても全く鼻息威嚇をしない個体とする個体の違いは何なのか、いつも不思議に思います。
  • 血中テストステロン濃度が高い♂が威嚇する?(血中濃度は季節変動もあり得る。一番単純な仮説ですけどカモシカをフィールドで性別判定するのは至難の業です。)
  • それまでのヒトとの関わり?(ヒトとの遭遇経験やハンターに追われた経験の有無など)
  • 実は顔馴染みのカモシカ?
  • 性格による個体差?
  • 年齢を重ねると自信がつき、ヒトに対して鼻息威嚇するようになる?
  • そのときの気分次第?
私が動かずに撮影を続けると、意を決したように少しずつ近寄って来ました(前進)。
もはや望遠レンズで撮るには近過ぎる限界です。
木漏れ日を浴びた毛並みが美しい…。

角や耳介に取り立てて特徴は見当たらないものの、両耳の手前に白い巻毛がありますね。
これは個体識別に使える特徴かな?
前進しながら口をモグモグ動かしているのは反芻かもしれません。
下草の匂いを嗅ぎ、葉を採食しました!
立ち止まるとまた鼻息威嚇を再開。
前肢を踏みしめる際に蹄を強く地面に叩きつけたのは威嚇のつもりでしょうか?
地面が硬くないので迫力がありません。

本当は(私が居なければ)林道を渡り切って杉林の斜面を下りたいのだろうか?
カモシカは逡巡の末に引き返し始めました。
最後はいつものように駈け出し、林道を逸れて杉林の斜面を登って行きました。

すぐにカモシカを追いかけると斜面の杉木立の間に姿を見つけました。
ゆっくり歩いて斜面をトラバースするカモシカを一瞬だけ撮れました。
もう私のことを気にしていない素振りでした。(見えていないのかも?)
杉林内はかなり薄暗く、望遠レンズでは光量不足でした。
動画のこの部分(@9:53〜)だけ動画編集時に自動色調補正を施してあります。



10分間も長撮りして疲れました。
カモシカと別れた後、採食メニューに興味があって下草を現場検証してみました。
花も咲いておらず、ざっと見たところ私に見分けられるのはクズドクダミぐらいですが、どの植物の葉を食べていたのか不明です。


【追記】
1か月後に同一個体と再会しました。
▼関連記事ニホンカモシカ(耳巻毛)との再会

カモシカが採食していた辺りの下草

ナギナタコウジュの花蜜を吸うトラマルハナバチ♀



2014年10月上旬

道端に咲いたナギナタコウジュの群落でトラマルハナバチ♀(Bombus diversus diversus)が訪花していました。
後脚の花粉籠は空荷でした。

ナギナタコウジュはピントが合わせにくい形状で、いつも撮影に苦労します。



シータテハ秋型の日光浴



2014年10月中旬

里山でミズナラの樹液を吸う合間にシータテハPolygonia c-album)秋型が下草に舞い降りると、翅を全開にして日光浴を始めました。
この後、より良い撮影アングルを求めて回り込もうとしたら敏感なシータテハは逃げてしまいました。

※ 乗っているのは草じゃなくて幼木の葉かも。



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