2015/01/25

チャイロスズメバチの廃巣を採集



2014年10月中旬


▼前回の記事
杉の木に止まるチャイロスズメバチ

斜面に営巣したチャイロスズメバチの定点観察#6

また間隔が開いてしまいました。
24日ぶりに現場を再訪してみると、やはり壊滅状態のチャイロスズメバチVespa dybowskii)の巣は再建されていませんでした。
巣の残骸に出入りする蜂の姿も無く、コロニーは完全に解散したようです。※
崖に残った巣盤は湿っており、地面に接した裏面には白いカビが生えていました。
上下の巣盤を連結する巣柄らしき構造が見えます。
前回採集した巣の欠片と合わせると、結構大きなコロニーだったことが伺えます。
最盛期の活動を想像するに、さぞや壮観だったことでしょう。
(※ 実は残った巣を採集した後に、1匹だけ蜂を見かけたのですが、撮り損ねました。)

せっかく珍しいチャイロスズメバチの巣を観察できるチャンスだったのに、不完全燃焼に終わりフラストレーションが残りました。
巣が壊される前に見つけておけば…。
よく通った山道なのに、発見が遅れたことが悔やまれます。
シリーズ完。


崖の営巣地を見上げる
15cm定規と並べる

モノサシトンボ♂奇形個体の飛翔【ハイスピード動画】



2014年8月中旬

山中の池の茂みで奇形のモノサシトンボ♂(Copera annulata)を見つけました。
長い胴体が途中で曲がっている個体です。
原因不明ですが、羽化不全とか水質汚染の影響なのでしょうか?
葉から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
飛び立ってもすぐ近くの葉に再着陸するので、同一個体を追いかけて撮影を続けました。
腹部が曲がっていても飛翔には特に支障がないようです。
(厳密には空気抵抗が不均等になりそうですけど、飛行姿勢を制御できる範囲内なのでしょう。)
最後は採寸代わりに人差し指を写し込みました。
そのついでにトンボの腹端に軽く触れると驚いてつんのめるように緊急発進しました。
揚力よりも前への推進力を優先して避難したようです。
映像後半は1/5倍速のスローモーションでリプレイ。


▼つづく
モノサシトンボ♂奇形個体が狩りに失敗【ハイスピード動画】


▼関連記事
飛べ!モノサシトンボ(未成熟個体)【ハイスピード動画】



モミジの葉を飽食するスジエグリシャチホコ(蛾)幼虫【微速度撮影】



2014年9月下旬
▼前回の記事
カエデの葉を食すスジエグリシャチホコ幼虫(蛾)

里山で採集してきた翌日、スジエグリシャチホコPtilodon hoegei)の幼虫が飼育下でイロハカエデ(=イロハモミジ)の葉を蚕食する様子を微速度撮影してみました。
10倍速の早回し映像をご覧下さい。
葉を食べ尽くすと葉柄の切り口も齧っていました。
容器の底に大量の糞が落ちているものの、脱糞シーンは撮れていませんでした。

その後の経過。
この幼虫は食欲が無くなり盛んに徘徊した挙句、絹糸で葉を綴って隠れ家を作り中に篭りました。
ところが脱皮も蛹化もせずに死亡したようです。
本種は土中で蛹化越冬するらしい(『樹と生きる虫たち:シャチホコ蛾の生態』p258より)のですけど、残念ながら飼育がうまく行きませんでした。
容器内に土を入れておくべきだったかもしれません。
採寸もしていないので、何齢の幼虫だったのか不明です。
また同書p232によると、スジエグリシャチホコ幼虫は防禦行動として体液を吐出するらしく、これもいつか確かめてみたいものです。


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