2014/10/20

キイトトンボ♂



2014年8月上旬

山麓を走る農業用水路の脇の草地で見つけた黄色いイトトンボです。
あまり落ち着きがなく、少し飛んでは止まる場所を変えています。
複数個体を撮影。

全く初めて見る種類なので、同定のため撮影後に1匹採集しました。
図鑑で調べると、その名もずばりキイトトンボCeriagrion melanurum)の♂でした。
腹端の黒い縦筋がお洒落ですね。
体色が性的二形で、♀の体は黄緑色らしい。

成虫は羽化した後も、水辺から離れない。(『ヤマケイポケットガイド18:水辺の昆虫』p29)
との記述もその通りでした。



以下は標本写真。


副性器

2014/10/19

クロオオアリ♀の喧嘩は蟻酸を噴射する



2014年8月上旬

山道の休憩処(東屋)のコンクリート床面をクロオオアリCamponotus japonicus)のワーカー♀(働きアリ)が餌を探して何匹も徘徊しています。

童謡「お使いアリさん」の歌詞「あんまり急いでこっつんこ、アリさんとアリさんとこっつんこ♪」にある通り、出会い頭に2匹が激しい喧嘩を始めることがあります。
巣の位置は不明ですが、敵対する別のコロニー出身なのでしょう。
大顎で噛み合いながら、腹側前方に屈曲した腹端から蟻酸を噴出して争います。

(クロオオアリは毒針を持ちません。)
喧嘩別れした後は身繕いして蟻酸の付着した触角を拭っています。

大型のクロオオアリが小型の個体を出会い頭に噛み殺しました。(@1:22〜1:45)
体格差があり過ぎると、このようなことも起こるようです。
瀕死の小型個体を餌として巣に持ち帰らずに立ち去りました。
獲物が小さ過ぎて、巣に持ち帰るコスト(労働量)に見合わないのでしょうか。

とても好戦的で喧嘩っ早く、化学兵器(毒ガス)による闘争シーンを複数個体で撮影することができました。
後で思うと、こういう時こそ魚露目レンズの出番だったかもしれません。

▼つづく
クロオオアリ♀出会い頭の挨拶



喧嘩直後の大型個体を1匹だけ採集しました。
標本写真。




【追記】
秋野順治 『アリの喧嘩の謎にせまる:どうやって巣仲間を見分けるのか』によると、
 一般には、別の種類のアリに対するより、同じ種類でも別巣のアリに対して、より激しく攻撃を仕掛けます。私たちが見かけるアリの喧嘩は、そのような家族間の抗争なのです。 (ポピュラーサイエンス『動物たちの気になる行動(1)食う・住む・生きる篇』p54より引用)

クロオオアリでは、巣仲間を数日間離れ離れで飼育すると、互いを巣仲間として見分けることができなくなり、取っ組み合いの喧嘩を始めてしまいます。(同書p56より)



ミズナラの樹液を吸うアカタテハ



2014年8月上旬

里山の雑木林でアカタテハVanessa indica)がミズナラの樹液酒場を訪れていました。
翅を開閉しながら幹を降りて来ると、口吻を伸ばして吸汁開始。





ランダムに記事を読む