2018/01/24

コンクリート壁に集まるオオナミザトウムシ?の群れ 【その4】



2016年10月下旬・午後15:26〜15:31


▼前回の記事
コンクリート壁に集まるオオナミザトウムシ?の群れ 【その3】

一方、オオナミザトウムシNelima genufusca)らしき3匹からなる第1群(a,b,c)のうちの一匹cが、いつのまにか群れを離れてコンクリート壁面の左下に移動していて、地面の近くで静止していました。
cは歩脚に欠損がなく8本脚の個体です。

再びコンクリート壁(西面)を登り始めたので、仲間(a,b)に再合流するかと思いきや、左の角を曲がりました。
コンクリート壁(北面)の縦溝を渡るのにしばらく逡巡しています。
縦の凹溝(幅4cm、奥行2.5cm)をあっさり乗り越えると、ひたすら横に移動します。
次の角に達すると地面に降りました。
この角の上部には6本脚の別個体g(-R1L2)がへばりつくように静止していました。
2匹は互いの存在に気づいていないようです。
ザトウムシの視力はどのぐらい良いのでしょう?(徘徊性クモと同程度?)
集団越冬するためにザトウムシが集結しつつあるのなら、カメムシのように集合フェロモンを放出しているのかと思いました。


ところが、個体cが歩いてきた軌跡はg(-R1L2)に誘引されていませんでした。
この日は風が強いから集合フェロモンが拡散してあまり役に立たないのですかね?
もう少し粘って観察を続ければ、何か面白い出会いの行動が見られたでしょうか?
三脚を持参していれば、微速度撮影でコンクリート壁面を長時間監視できたのですけど。
ザトウムシの緩やかな離合集散を漠然と眺めているだけでは、一体何が起きているのか、何を目的に集まっているのか、よく分かりませんでした。
建物をぐるっと一周して調べても、他の方角の壁面にザトウムシは集まっていませんでした。

このままコンクリート壁面にへばりついていても、本格的な冬が来ればこの高さだと根雪に埋もれてしまいます。
したがって、ザトウムシの集団越冬地はどこか別の場所にあるはずです。
実際、後日に現場を再訪したらザトウムシの群れは一匹も居なくなっていました。

ザトウムシの生態にも興味があるので、いつか飼育してみたいものです。
とりあえず、ザトウムシの性別や成体/幼体の見分け方など基本的なことを勉強しなければなりません。

シリーズ完。

今回の連載で登場した計7匹は互いに血縁関係にあるのかどうか、気になります。

g(-R1L2)

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