2017/11/12

開花初日のハス蕾の開閉運動(壺状開花)【180倍速映像】

▼前回の記事
夜明けに咲くハスの開花運動【180倍速暗視映像】

前回は、ハス(蓮)の花が一番きれいに咲く開花3日目の様子を微速度撮影しましたが、あれは実は二回目の挑戦でした。
話の都合で紹介する順序が逆になりましたが、ハスの開花についてろくに予習せずに出かけたので、初回の挑戦はこんな映像↓になりました。



2017年7月下旬・午前5:33〜7:13(日の出時刻は4:35)


日の出とともに蓮池に出かけたら、時既に遅しでした。
開花の一部始終を記録するのなら、暗い夜明け前から撮り始めないといけないことが分かりました。
それでも一部の蕾が咲きかけ?のまま残っていたので、駄目元で三脚を立てて微速度撮影を開始。
広い蓮池でどの蕾を撮るべきか選ぶのに目移りしてしまい、何度か場所を変えました。
朝日の方角(東)に対して逆光にならないように考慮すべきですが、この日は曇り空なので関係ありませんでした。
野外で微速度撮影する際に大敵となるのは風による振動なのですけど、朝は穏やかでほぼ無風なので助かります。
早朝に咲いたばかりの蓮の花の独特の芳しい香りが辺りに漂い、クラクラします。

1時間40分間、10倍速の微速度撮影で記録しました。
その素材を更に加工した180倍速の早回し映像をご覧ください。
勉強不足の私はてっきり、開花不全の蕾を選んでしまったのか、たまたま開花のタイミングが他の蕾よりも出遅れてしまった個体を撮った失敗作の映像だと思ってしまいました。
しかし、ハスの開花について復習してみると、謎が解けました。
平均的なハスの花は4日間の寿命があり、毎日開閉を繰り返してから散るのだそうです。
また、開花を始めてからの日数によって開花の程度が異なります。
今回の映像の被写体は開花初日の蕾と考えられ、花弁がほとんど開かずにすぐに閉じてしまうので壺状開花と呼ばれています。

加藤文男『大賀ハス (縄文ハス)の花の開閉について』によると (福井市自然史博物館から公開されたPDFファイルへのリンク)、初日は開花開始時刻が遅いらしい。(p125より)



田中修『花が季節や時を告げるしくみ』によると、
花の開閉運動は、花弁の内側と外側の細胞の伸長差にもとづいている。(中略)そのため、花が開閉を繰り返すと花びらは大きくなる。だから、つぼみが初めて開いた花より、何日間かの開閉運動をつづけてきた花のほうがずっと大きくなっているのである。 (『花の自然史:美しさの進化学』第13章:p199より引用)

このように、本や文献を読んで復習してみると訳が分からなかった全ての現象が説明できて、感動しました。
粘り強い観察によってそれをゼロから完全に解明した先人の苦労が忍ばれます。
「咲かない蕾」をひたすら撮り続けていた私は、朝の蓮池ですっかり変人扱いされてしまいました。
しかし早回し映像にしてみれば、蕾の開閉運動は一目瞭然です。
開花初日のハスは花弁が全開せず、少し咲きかけただけですぐに蕾が固く閉じてしまうのです。(壺状開花)
開きかけの蕾にもときどきハナバチ類が偵察に来ていました。(映像公開予定)
開花すると一番外側の花弁がハラリと下の葉に落ちる様子も、他の花で目撃しました。




↑【おまけの映像】
オリジナルの10倍速および60倍速に加工した映像をブログ限定で公開します。
ゆっくり見たい人はこちらのバージョンをどうぞ。

2日目、4日目の開花運動および閉花運動も撮影したいところですが、来季以降の宿題です。
本当に同一の蕾に注目して4日間、ひたすら開花と閉花を観察できれば、花の生涯の記録としては理想的です。


5:31 am
5:32 am(動画の撮影アングル)

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