2016/12/24

ミズナラの葉を蚕食し脱糞するウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫【100倍速映像】



2016年9月上旬
▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫の排便


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#5


ウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の亜終齢幼虫は凄まじい食欲でミズナラの葉を貪り続けています。
食害シーンをじっくり微速度撮影したので、100倍速の早回し映像でご覧下さい。

初めは葉先からきれいに律儀に食べ進みます。
葉縁の鋸歯も太い主脈も平気で食べています。
柔らかそうな若葉には拘らず、ミズナラの立派な(大きな)葉でも平気で食べています。
幼虫は葉を食べながら横に移動できるようです。
食痕がほぼ横一直線になるのが面白く思いました。
食べ残しがでっぱった部分に遭遇すると往復して重点的に食べ、他の部分に合わせて一直線にしています。
やがて摂食パターンが変わりました。
横一直線に食べ進むのを止めて、何とも形容しがたい複雑な虫食いパターンになりました。
幼虫が葉上で方向転換する様子がルンバを連想させ、コミカルで可愛いですね。
独特の横歩きが面白い。

ルンバなど掃除ロボットの動きはプログラムで実現されています。
ウスムラサキイラガ幼虫の摂食行動はどのようなアルゴリズムで遺伝的にプログラムされているのでしょう。

背面からの撮影に切り替えると、定期的な脱糞シーンも録画されるようになりました。
(@4:04, 4:14, 4:26, 4:38, 4:49, 5:00, 5:14, 5:26, 5:38, 5:50, 6:01)

マクロレンズで接写していると葉がよく揺れて困るのですけど、必ずしも風のせいではありません。
室内の扇風機を止めても相変わらず揺れるのです。
幼虫が摂食中に葉先で動くせいで葉が揺れてしまうのだと原因が分かりました。
後半はクリップやビニールテープを使って葉をしっかり固定すると、ようやく悩ましい葉の振動が止まりました。


つづく→#6:ウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫の口元を隠す食事マナー



【おまけの動画】
同じ素材ですが早回し速度を少し変えて、60倍速映像をブログ限定で公開します。



夕暮れにハチミツソウの花蜜を吸うシロオビノメイガ(蛾)



2016年9月上旬・午後17:58〜18:14

川沿いの堤防に生えたハチミツソウ(=ハネミギク、羽実菊)の群落で日没直後からシロオビノメイガSpoladea recurvalis)が訪花していました。
私が草むらにそっと近づくと蛾は警戒して飛び立つものの、すぐ同じ株の花に舞い戻ってくれるので助かりました。
刻々と暗くなっても熱心に吸蜜を続け、花から花へ飛び回っていました。
吸蜜中も触角を激しく上下しています。
ちなみに、この日の公式な日の入り時刻は午後17:55。
後で思えば、赤外線の暗視カメラでも夜行性の吸蜜シーンを記録すればよかったですね。



この黄色い花の名前を知りませんでした。
おそらくキク科だと思うのですが、オオダイコンソウにしては葉の形が全く違います。
外来種や園芸植物だろうと予想をつけて、植物関連の掲示板にて問い合わせたところ、北米原産のハチミツソウと教えてもらいました。
養蜂用の蜜源植物として1960年代に北海道に導入されて以来、野生化して日本各地に分布を広げている侵入植物らしい。



【追記】
後日、明るい日中も同様に訪花することを観察しました。
▼関連記事昼間にハチミツソウの花蜜を吸うシロオビノメイガ(蛾)

ヘラオオバコの花蜜を吸うフタモンアシナガバチ♀



2016年9月上旬

水田の畦道に咲いたヘラオオバコの群落でフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)のワーカー♀が訪花していました。
花から花へ飛び回り、吸蜜しています。
そっと近づいて接写するために追い回しても同じ群落に舞い戻って来てくれるので助かりました。

何の変哲もない組み合わせの訪花映像に見えるかもしれませんが、私は「積年の謎がこれで解けた!」と非常に興奮しました。
Q: ヘラオオバコは虫媒花ではないか?
個人的にここ数年とても気になっている疑問で、しつこく追求しています。
詳しくはこちらのまとめ記事(リンク集)をご覧下さい。
定説によると、オオバコや帰化植物のヘラオオバコは地味な花を咲かせて花粉が多く、風媒花の特徴を備えています。
花糸(葯を支えている細長い柄の部分)が細長いのは風媒花(風によって花粉が運ばれる)の特徴です。(『ふしぎな花時計:身近な花で時間を知ろう』p102より引用)


花が地味で単純なのは、昆虫などの送粉者を惹き寄せる必要がないからです。
ヘラオオバコの花を嗅いでも芳香は感じられません。
風媒花は受粉効率の悪さを花粉の量で補います。
空気中に花粉を大量に撒き散らす結果、我々を悩ませる花粉症の原因(アレルゲン)にもなります。
ちなみにヘラオオバコは江戸時代の末期に渡来したらしい。



オオバコが風媒花であることは日本語版wikipediaに明記してありました。
一方、検索してもヘラオオバコが風媒花であると明記した資料を日本語で見つけられなかったのですが、英語でようやく発見。
風媒による他家受粉の他に、無性生殖のクローンでも増殖するそうです。


The mode of reproduction can vary among populations of P. lanceolata.[9] Reproduction can either occur asexually via cloning or sexually, with the pollen being wind dispersed.[9] In the populations that reproduce asexually via cloning, genetic variation is much lower than the populations that reproduce sexually.[8] (英語版wikipedia:Plantago lanceolataより)

アシナガバチ類はカリバチの仲間ですから、ハナバチと違って花粉を集めることはしません。
したがって、フタモンアシナガバチがヘラオオバコの花を舐めていたのは蜜腺の存在を強く示唆しています。
今秋はヘラオオバコの花を重点的に見て回り、この問題について更にしつこく証拠映像を撮り貯めていますので、お楽しみに。
植物組織学的に蜜腺の存在を証明するにはどうしたら良いのか、詳しい方は教えて下さい。
果糖を検出するアッセイをすれば良いのかな?
花が咲く前からヘラオオバコを袋掛けしておいて結実しなくなることを実験で示したとしても、それは風も虫も両方無い条件ということになります。
栽培したヘラオオバコに対して風だけ、虫だけ、をそれぞれ遮断するような本格的な実験を組む必要がありそうです。

風媒花をつける植物の仲間であっても、二次的に虫媒などになったと考えられるものもある。たとえばカシやナラなどのブナ科植物は風媒花をつける植物の代表であり、雄花は細長い柄に、ごく小さいものが並ぶ地味なものであるが、シイやクリの花には多くの昆虫が訪れる。これらの場合、雄花の穂は枝先に多数集まり、穂全体が黄色みを帯びることでまとまればかなり目を引くようになっており、また、強い香りを放っている。逆に、キク科におけるヨモギやブタクサのように、虫媒花の群でありながら、二次的に風媒となったものもある。(wikipedia:風媒花より)
今後はヘラオオバコだけではなくオオバコの花にも昆虫が訪花するのか、注意して見て回るつもりです。





【おまけの動画】

冒頭で示した映像は蜂にピントが合わない前半部を編集で泣く泣くカットしています。
今回のフタモンアシナガバチ♀がたまたまヘラオオバコの花穂で休んでいたのではなく結構長い時間ヘラオオバコの群落に執着して訪花していたことを示すために、ノーカット版をブログ限定で公開します。



【追記】
ヘラオオバコの花に微小のアブラムシが集っていて、蜂がその甘露を舐めに来た可能性もあり得るかもしれません。
そのようなアブラムシの存在には気づきませんでした。

2016/12/23

ウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫の排便



2016年9月上旬
▼前回の記事
脱皮後に抜け殻を食すウスムラサキイラガ(蛾)幼虫【60倍速映像】


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#4



脱皮して亜終齢になったウスムラサキイラガAustrapoda hepatica幼虫は抜け殻を完食すると、しばらく休んでから食欲が回復したようです。
脱皮した葉裏から隣の葉に移動して、ミズナラの葉を食べ始めました。
それとともに、定期的に排便するようになりました。

脱皮した当日の夜および翌日に撮影した脱糞シーンをまとめてみました。
ラストシーン(@3:25〜)だけは、10倍速の微速度撮影で監視中に撮れたもの。
夜間(室温29℃、湿度57%)は約45分間隔で規則的に排便していました。
肛門がヒクヒクするのが排便の前兆です。
腹端を持ち上げてポトリと脱糞します。
丸い糞が勢い良く放出されます。
これまで様々な種類のイモムシを飼育してきましたが、幼虫の糞の断面は腸の形状を反映したロゼッタ状になるのが普通です。(※追記参照)
一方、ウスムラサキイラガ幼虫の糞は球形で、奇異な印象を受けました。
終齢になれば腸内の襞も発達して糞の形も変わるのでしょうか。

つづく→#5:ミズナラの葉を蚕食し脱糞するウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫【100倍速映像】



※【追記】

盛口満『昆虫の描き方: 自然観察の技法II』p102~103によると、
イモムシは小さな体で、栄養価の低い植物の葉から、できるだけ栄養を吸収できるような工夫が必要となる。そのためイモムシは大食漢であったりするが、そのほかにも、栄養吸収の効率をよくするために、腸の断面積を大きくする工夫をしている。イモムシの糞は断面が花のような形になっているのは、このためだろう。






畑を歩き回るセグロセキレイ♀(野鳥)



2016年9月上旬

民家の家庭菜園でセグロセキレイ♀(Motacilla grandis)が徘徊していました。
♀なのか、それとも若鳥なのかな?
カメラを警戒して小走りで茂みの陰に隠れてしまい、期待した採食シーン(虫の捕食)は撮れませんでした。

実は見つけたときに一緒に居た♂は屋根の上に逃げてしまい、これは逃げ遅れた個体です。
冒頭で鋭く一声鳴いたのは、どちらの個体か不明です。



【追記】
藤田祐樹『ハトはなぜ首を振って歩くのか(岩波科学ライブラリー)』によると、
(セグロセキレイの)尾振りは、天敵を警戒している時に頻繁に行なわれることを明らかにした。捕食者に対して、自分は気づいていることを伝えるメッセージだというのだ。(p106より引用)



隠れ家から出て散歩するヤハズハエトリ♂(蜘蛛)



2016年9月上旬

用水路や湿地帯に近い道端の茂みでヤハズハエトリ♂(Mendoza elongata)を発見。
笹の葉が緩く巻いた中に潜り込みました。
すぐにまた外に出てくると、辺りの草むらを徘徊します。
レンズを見上げる仕草が可愛らしい。
触肢で葉をリズミカルに叩いているのは何か意味があるのですかね?
近くに居るかもしれない♀に求愛信号を送っているのでしょうか?

後半は跳躍シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ろうとしたのですが、途端に跳んでくれなくなりました…。
最後に同じ隠れ家へ帰還する様子を意味なくハイスピード動画で記録しました。(@3:28〜)
中に筒状住居(巣)があるのかもしれません。
外から葉巻を軽く叩いたり押したりしてクモを追い出しても、しばらくすると戻って来ます。
もしかすると、最終脱皮前の♀が脱皮室に潜んでいて♂が交接前ガードしていた可能性も考えられます。
♂が中に潜り込んだ状態で笹の葉ごと採集しようとナイフで茎をそっと切りかけたら、脱出して逃げられてしまいました…。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

7年ぶりの嬉しい遭遇でした。

▼関連記事 @2009年9月上旬
ヤハズハエトリ♂(蜘蛛)



2016/12/22

脱皮後に抜け殻を食すウスムラサキイラガ(蛾)幼虫【60倍速映像】



2016年9月上旬・午前11:21〜午後14.09
▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫の脱皮【10倍速映像】

ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#3


脱皮直後のウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の亜終齢幼虫はしばらく休んだ後で、白っぽく薄い抜け殻に口をつけて食べ始めました。
後半は採寸のために、幼虫の横に定規を並べて置きました。
ときどき食休みしているときもその場で蠕動運動しています。
摂食を再開すると、少しずつ前進しながら脱皮殻を食べ進みます。
硬い頭楯の抜け殻だけが最後まで残りました。
脱皮殻を完食すると、その場で休息。
硬い頭楯の抜け殻も食べたかどうか、不明です。(結局は弾き飛ばしたのかも)

ちなみに、午前11:47での室温は27.9℃、湿度66%。

つづく→#4:ウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫の排便






コガタスズメバチ♀2匹同時の扇風行動



2016年9月上旬・午前11:15頃・気温31℃・快晴


▼前回の記事
軒下の巣で扇風行動するコガタスズメバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

民家の軒下で西向きに作られたコガタスズメバチVespa analis insularis)の巣を39日ぶりに観察。
出入りする蜂とは別に、2匹のワーカー♀が同時に扇風行動していました。
1匹が巣口のすぐ左横に位置して、頭部は巣口と逆を向いて扇風しています。
もう一匹が巣口から右下に離れた外皮上で扇風していました。
てっきり巣口から中に送風しないと意味はないと思っていたので、少し驚きました。
外皮を冷やせればどこで扇風しても構わないのですかね??

巣材を何層も重ねて断熱効果を高めるのが外皮の役割ですから、外皮の外からいくら扇風しても巣内の温度は下がらないと思うのですけど…。
あるいは軒下に篭った熱気を少しでも撹拌・換気するのが目的なのでしょうか。
サーモグラフィー・カメラでスズメバチの扇風行動を撮影してみたいのですが、高嶺の花です…。
酷暑のときは巣を水で濡らしてから扇風することで気化熱で巣を冷やすらしいのですが、私は未だ実際に見たことがありません。(北国ではなかなかそこまで気温が上がることがない?)

他にも見えているだけで4匹のワーカーが外皮をあちこちで増築しています。
巣材を咥えた個体が扇風中の♀に向かって羽ばたきながら外皮上をダッシュしては直前で立ち止まる、という謎の行動がときどき見られました。
逆に扇風役の♀が羽ばたきを一時止めて仲間に駆け寄り、警戒することもありました。
これは外敵と誤認した警戒行動なのでしょうか?(例えばオオスズメバチの襲来を警戒しているとか?)
それともアシナガバチの巣で見られるようなワーカー♀間の優位行動なのかな?
その間、門衛が巣口から外を見張っています。

引き続きハイスピード動画でも記録しようとしたら、残念ながら蜂は扇風行動を止めてしまいました。



2016/12/21

ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫の脱皮【10倍速映像】



2016年9月上旬・午前9:14〜9:47

ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#2

▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫が脱皮場所を探し歩き、落ち着くまで


2日後の朝、眠から目覚めたウスムラサキイラガ(Austrapoda hepatica)の幼虫が遂に脱皮を始めました。

幼虫の蠕動が目に見えて激しくなり、体の前から脱皮します。
体表のクチクラだけでなく、体内の細い気管も一緒に脱皮します。
最後に引きちぎった白くて細い紐状の物が気管の抜け殻です。
前進して古い皮から完全に抜け出るとすぐに方向転換し、白くて薄い抜け殻(脱皮殻)に向き直りました。
その場で激しい蠕動を続けています

これで無事に亜終齢の幼虫になりました。
体内寄生されているのかもしれないという不安は杞憂に終わりました。



【おまけの動画】
2016年9月上旬・午前5:36〜9:14

時間を少し遡ります。
眠状態のウスムラサキイラガ幼虫が脱皮直前にときどき蠕動運動する様子を微速度撮影で記録した10倍速の早回し映像です。
退屈と言えば退屈な動画かもしれませんけど、未来の誰かにとっては何か資料価値があるかもしれませんので、ブログ限定で公開しておきます。
マクロレンズで接写していると室内の微風でもミズナラの葉が揺れるので、文鎮で葉を固定しました。
撮影用の照明を早朝から当て続けながら愚直に録画していたので、もしかすると幼虫の日周リズムが狂ってしまったかもしれません。

つづく→#3:脱皮直後に抜け殻を食すウスムラサキイラガ(蛾)幼虫【60倍速映像】


脱皮直前:2日前より表面が白っぽく変化(脱皮の前兆)。左が幼虫の前方。

ナミハンミョウの狩り捕食



2016年9月上旬


▼前回の記事
ナミハンミョウの道教え【HD動画&ハイスピード動画】

舗装された峠道を走り回るナミハンミョウCicindela japonica)に注目していると、運良く狩りの瞬間を撮影することができました。
活動中のハンミョウは恐ろしげな鋭い大顎を常に開閉しています。
本で読んだ知識によるとハンミョウはアリを狩るらしいのですが、路上でクロアリと遭遇しても無視しています。


その代わりに、路上で蠢いている白っぽい(桃色?)微小の幼虫を繰り返し捕食しました。
獲物を見つけるとがっついて地面に牙を突き立てています。
ただし目の前で獲物が動いているのに見逃して捕食しないこともありました。
木漏れ日がチラチラして路面が非常に見えにくい上に、ハンミョウの背面を見下ろすアングルではちょっと分かり難いですね。
立ち止まって大顎を開閉していた斑猫が、なぜか食べかけの幼虫を吐き出して捨てるシーンも撮れました!(@3:38)
味が気に入らなかった、あるいは有毒の幼虫だったのでしょうか。

(意図的に吐き出したのか、それともうっかり口から落としてしまったのか、不明です。)

獲物の正体を明らかにするために、謎の幼虫をマクロレンズで接写すべきでしたね。
後でやろうと思いつつ、道教え行動の撮影の方に夢中になってしまい、ハンミョウを追い回していたらすっかり忘れてしまいました…。
白っぽい糸屑のような微小の幼虫でした。

2匹のハンミョウが遭遇したら何が起こるのかと期待して見守ったのですが、互いに無関心で別行動をとっていました。


※ 動画編集時にいつものように手ブレ補正しようとしたら、風で揺れる枝葉の影で不自然な映像になる(副作用)ので、今回は止めました。



2016/12/20

ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫が脱皮場所を探し歩き、落ち着くまで

2016年9月上旬

ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#1


峠道の横に生えたミズナラの灌木で葉裏に止まっている黄緑色の見慣れない幼虫を見つけました。
葉に食痕があるので、ミズナラが食樹植物なのでしょう。
飼育するため枝ごと採集して持ち帰りました。
採集する際に不注意で幼虫に指で触れてしまったものの、痛みは感じませんでした。

帰ってから調べても、この幼虫の正体がしばらく分かりませんでした。
アカシジミなどゼフィルスの幼虫にしては変だし…などと散々迷いました。
ようやくウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の幼虫だろうと判明。


同じ枝にオオトリノフンダマシの卵嚢が2個吊り下げられていました。



採集から3日後。
ミズナラの葉が萎れてきたので、新鮮なミズナラの枝を近所で採取してきて与えます。
ピンセットの先をアルコール消毒してから幼虫を摘み上げて葉裏に乗せてやりました。
葉を食べるシーンを観察したかったのに、なぜか食欲がありません。
葉裏をうろうろと徘徊するばかりです。
姿形が奇妙なだけでなく、動き方も普通の芋虫がやるような蠕動運動や尺取り運動とは違います。
なんとなく自動掃除機ルンバの動きを連想しました。

後で思うと、既に脱皮前の眠状態に入りかけていたのに私が余計なお節介で新鮮なミズナラに移動させてしまったことになります。

脱皮する安全な場所を探し歩いていたのだと後に判明します。
ようやく葉裏の主脈の横に落ち着きました。
静止しているように見える幼虫を10倍速の微速度撮影してみると、微動だにしていることが分かりました。(@2:32〜)
背面からでは何をしているのかよく見えませんが、もしかすると脱皮に備えて足場として絹糸を薄く張り巡らしていたのかもしれないと想像しました。
その場でクルクル回るのが可愛らしいですね。
接写してみると、体の背面あちこちでペコペコと不規則に凹んだり膨らんだりする動きが見られます。

ただし、これは10倍速映像であることにご注意下さい。
体内寄生されているのか?(体内でエイリアンが暴れている?)と心配になりました。

これから脱皮前の眠に入ります。

つづく→#2:ウスムラサキイラガ(蛾)幼虫の脱皮【10倍速映像】







オオカマキリ♀とハリガネムシの死骸に群がるアリ



2016年9月上旬

郊外の住宅地の路上で車に轢かれてぺしゃんこになったオオカマキリ♀(Tenodera aridifolia)の死骸を見つけました。
そのロードキルに、かなり小さなクロアリ(種名不詳)の大群が集まっていました。

もし映像からアリの種類を見分けられる方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。
こんな小さなアリが時間をかけて巨大な獲物を少しずつ解体する様子を微速度撮影したら面白そうです。
このとき私はひどく疲労困憊していた上に夕暮れ時だったので、蟻を接写するのも採集するのも億劫で怠りました。


後になって写真を見直すと、オオカマキリ♀の体内に寄生してたハリガネムシの一種が脱出後に干からびて死んでいました。

現場ではハリガネムシに全く気づきませんでした。


2016/12/19

クロマルハナバチ♀の帰巣と出巣【HD動画&ハイスピード動画】



2016年6月上旬・午後14:07〜14:57

クロマルハナバチの巣:定点観察#5

▼前回の記事
クロマルハナバチの巣穴に侵入するクロスズメバチ♀の謎【HD動画&ハイスピード動画】


7日ぶりにクロマルハナバチBombus ignitus)の営巣地を再訪。
前日に雨が降ったので心配したのですが、コンクリート土留の排水口内に営巣したコロニーは無事で一安心。
下の側溝から雑草が伸びてきていて、夏になったら巣穴が隠されてしまいそうです。
ライトで照らしながら排水口を覗いてみても、奥の様子は見えませんでした。
赤外線の暗視映像で撮っても同じで、奥まで見えませんでした。(映像省略)
やはりファイバースコープのカメラが必要ですね。(無い物ねだり)
調べてみると、機材をレンタルできるらしい。

帰巣する蜂と出巣する蜂とが巣穴ですれ違うシーンがありました。
巣穴に出入りする蜂の羽音もばっちり録音できました。
2匹連続で出巣することもありました。

後半は巣穴に出入りするワーカー♀を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:38〜3:26)
帰巣する♀の中には、後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けた個体もいれば、空荷の個体もいます。
一方、巣から飛び立った直後、出口に生えた雑草にひっかかった蜂がなんとか空中で姿勢を立て直して飛び去る様子が面白いです。(@3:05)

出巣したワーカーがどこで採餌してくるのか、蜜源が気になります。
営巣地のすぐ上の斜面にイタチハギ(=クロバナエンジュ)とタニウツギが生えていて、花も咲いていました。
ところが、いずれの灌木にも訪花するワーカーは一匹も見かけませんでした。
近場で採餌するのではなく、遠出してくるらしい。



さて、これは何というマルハナバチの巣でしょうか?
クロマルハナバチではなくコマルハナバチ♀のような気もしてきて、迷います。
低地性と言われるクロマルハナバチにしては
営巣地の標高(640m)がやや高い点と、出入りする蜂の体長が見るからに小柄である点が気になっています。(クロマルハナバチ説を否定する材料)
ワーカーではなく雄蜂を見れば同定可能です。
しかしコマルハナバチなら他種に先駆けて現れるはずの雄蜂♂の姿は未だ見かけませんでした。

(羽化しても♂は巣に留まってくれない気がします。)
営巣初期のワーカーは創設女王が単独で育てるため幼虫期の栄養状態が悪く、その結果、体長が小柄になるのでしょう。

蜂を正しく同定するために、一匹だけ採集することにしました。
撮影の合間に、ビニール袋を巣穴に被せてビニールテープで軽く固定し、出巣してくるワーカー♀を採集しました。
以下は標本の写真。(コマルハナバチ♀の可能性は?)

クロマルハナバチは刈り揃えたような短い毛をもち、コマルハナバチの毛はやや立っていてふっくらした感じなのだそうです。(『日本産マルハナバチ図鑑』p116「本州以南産コ・クロ♀の違い」)


背面
腹面
胸背
腹背
側面
毒針
マーラーエリア(撮り方が難しい…)
後脚
後脚基跗節


つづく→#6:クロマルハナバチのコロニーの活動【HD動画&ハイスピード動画】




セスジスカシバ♀(蛾)の探索飛翔と産卵



2016年9月上旬

峠道の横に生えた木苺(種名不詳)の群落でセスジスカシバ♀(Pennisetia fixseni fixseni)が産卵場所を探し求めて飛び回っていました。
幼虫の食草がキイチゴ類なのです。

葉裏を何度か腹端で探ったものの、実際に産卵したのは一度だけでした。
葉表にしがみついて曲げた腹端を葉裏に押し付け、飛び去りました。
産卵中は羽ばたきを止めました。

産卵の瞬間は羽ばたきを止めた。


セスジスカシバ♀が産卵したばかりの葉をめくってみると、やや楕円球で濃い褐色(焦げ茶色)の卵がひと粒だけ葉裏(葉縁に近い部分)に見つかりました。
この時期はあまりにも忙しくて飼育する余力がなく、卵を採集しませんでした。
今後の宿題です。

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