2015/11/12

網が壊れたトリノフンダマシ♀の狼狽【蜘蛛:暗視映像】



2015年8月下旬・深夜3:51〜04:09・気温17.6℃

トリノフンダマシ♀の定点観察#9


隠れ家に食べ残し(蛾e)を吊り下げたまま、トリノフンダマシ♀(Cyrtarachne bufo)の姿が見当たらなくなりました。

水平円網のあちこちにかかった数頭の蛾が風で揺れています。
これまでと違い、糸が著しく弛んでいて風が吹くと網が激しく揺れています。
クモがいよいよ網の取り壊しを始めた(糸を自ら噛み切った)のかと焦りました。
あるいは突風が吹いて枠糸がどこか切れたのかもしれませんし、私が撮影アングルを求めて網の下に潜り込もうとした際に不注意で糸を切ってしまった可能性もあります。
獲物が大量にかかり過ぎて、網が荷重に耐えられなくなった可能性はどうでしょう?
遠くの茂みと結ばれていた水平の枠糸が切られて、網全体の構造が不安定になったようです。

必死で探すと、クモは隠れ家の桑の葉の上を徘徊していました。
近くに吊り下げた2個の卵嚢を探し歩いているのでしょうか?
危機が迫っても卵嚢の元へ駆けつけていないので、「卵嚢ガード」と呼ぶのはふさわしくない気がします。
葉の上で転倒するも、すぐに起き上がりました。
これから新たに卵嚢を産み付けるのか?と思ったりもしました。
とにかく全く意味不明の行動です。
白色LEDを点灯すると、桑の葉が夜露で濡れていました。
クモが慌てて葉裏に隠れたのは眩しいからでしょうか?
照明のおかげでようやく隠れ家を見つけられたのかもしれません。
網が壊されパニックになっていたのでしょうか?

赤外線の暗視カメラに戻すと、隠れ家に落ち着いたクモはようやく食べ残しの蛾eに口を付け捕食再開。
蛾dはとっくに食べ終え、いつの間にか捨てた後のようです。
隠れ家で念入りに糸を張り巡らしています。
梱包ラッピングし直した蛾をしっかり固定。

右にパンすると、少なくとも3頭の蛾が網にかかって吊り下げられています。
いずれもユウマダラエダシャク(またはその仲間 Abraxas sp.)のように見えます。

つづく→#10:夜明け前に網を取り壊し不要な獲物を捨てるトリノフンダマシ♀【蜘蛛:暗視映像】



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