2015/06/11

ノシメマダラメイガ(蛾)が室内で♂単独の求愛ダンス



2015年5月下旬

▼前回の記事
♀の残り香で性的に興奮するノシメマダラメイガ♂(蛾)

ノシメマダラメイガの飼育記録#7

今回は飼育記録ではありませんが、前回の記事と深く関連する番外編です。
正午頃、室内(食堂の北東角)の天井付近で2〜3頭のノシメマダラメイガPlodia interpunctella)が乱舞していました。
壁や天井に止まると、激しく羽ばたきながら歩き回ります。
窓との位置関係から、走光性とは無関係な行動のようです。
♂(と思われる個体)は天井隅のなぜか特定の場所に執着しています。
食堂ですから幼虫の餌となる貯蔵食品の匂いに誘引された可能性も考えられますが、天井の隅から強く匂うはずがありません。
これまでの飼育経験から、♂の求愛ダンスだろうと想像がつきました。
ところが近くにコーリング(静止して性フェロモンを放出)している♀は見当たりません。
ここに♀の性フェロモンが残留しているのでしょうか?

狭い飼育容器に比べたらはるかに広い開放空間です。
ノシメマダラメイガ♀の性フェロモンはcis-9, trans-12-tetradecadienyl acetateとして単離されましたが、自然界では単純な揮発性物質ではなく何か別の化合物と混合して使われ、ゆっくり揮発するようになっているのかもしれません。

♀が縄張りに匂いづけした、というのはさすがに考え過ぎでしょう。
2頭の♂同士が出会うと頭を突き合わせて誤認求愛が起こりましたが、すぐに間違いに気づいて別れました。

貯穀害虫として悪名高いノシメマダラメイガを防除するために、フェロモントラップが開発・販売されています。
化学合成した性フェロモンを室内・室外のあちこちに置いてみて、♂の誘引活性を調べたら面白そうです。
私の予想では、おそらくこの動画と似たような状況が観察できるはずです。

※ 薄暗い場所で撮った映像に対して、YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#8:夜の活動【暗視映像】


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