2014/09/19

マイマイガ♀b(蛾)の羽化【早回し映像】



2014年7月中旬・室温24〜26℃
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マイマイガ(蛾)の蛹に触れると暴れる

マイマイガLymantria dispar japonica)の飼育個体bが蛹化してから12日後。
蛹が自発的に蠕動するようになりました。
プラスチック容器の底を転がって移動するほど激しい動きです。
次第にその間隔が短くなったので、羽化が近づいているのかと予想していたら案の定、蛹の前方が割れて成虫が姿を現しました。
羽化殻から抜け出ると、プラスチック壁面に止まって翅を伸ばし始めます。
せっかく近くに足場となるティッシュペーパーを垂らしておいたのに、親心を知らずそちらに登ってはくれませんでした。
爪先がつるつる滑っていますが、なんとか翅頂が床に触れないギリギリの高さに止まりました。
触角の形状から♀と判明。
口吻は退化しているようです。
寄生を免れ無事に羽化してくれて一安心。
最近、民家の壁や窓に止まっているマイマイガ成虫をよく見かけていたので、野外の出現期とほぼ同じでした。

途中から三脚にカメラを固定し、10倍速の微速度撮影で翅伸展を記録しました。
翅が見る見る伸びていく様子は感動的です。
爪先が滑りずり落ちる度に必死で登り直しています。
伸び切った翅を立てて(閉じた)います。
やがて翅が乾くと広げて屋根形に開きました。
これは野外でよく見慣れた静止姿勢です。

羽化が完了すると、余分な体液を蛹便(羽化液)として排泄します。(@6:55)
黄土色の水滴が容器の底に広がりました。
容器越しに腹面から監視録画すべきだった。

『日本動物大百科9昆虫II』p78によると、

マイマイガの♀は主に午前中に羽化し、羽化直後からフェロモンを放出し始める(コーリング)。


今回の羽化時刻は正午前後でした。
コーリングしていたかどうか、気づきませんでした。
その後も産卵行動を観察したくて成虫♀bを飼い続けたのですが、♂と交尾しないと正常な卵塊を産めないようです。



以下は羽化殻(抜け殻)の写真です。


腹面
側面
側面
側面
頭部方向から見た羽化口(内部に白い毛束)

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