2013/07/16

街路樹に塒入りするハクセキレイの群れ(野鳥)



2013年6月上旬

郊外の某大型店の駐車場脇にあるケヤキ並木にハクセキレイMotacilla alba lugens)の群れが塒(ねぐら)入りしていると知り、夕方からカメラを持って見に行きました。

街路樹の近くの電線に止まっていたハクセキレイがケヤキの枝に移動するも、時間帯が早いとすぐにまた飛び去ってしまいます。
やがて数羽のハクセキレイが近くの電線や民家の屋根に集まってきて互いに鳴き交わし始めました。

ハクセキレイの集団塒の場合は、こうしたやや広い場所に就塒前集合しゅうじぜんしゅうごうをし、その後いっせいに塒入りするという習性がある。(『ネオン街に眠る鳥たち:夜鳥生態学入門』p38より)

黄昏時になると塒入りの合図として?鳴き始める傾向がありそうに思いました。
(あるいは性別や年齢によって鳴く鳴かないの違いがあるのかもしれません。)
声紋解析してみたいのですけど、車の騒音がうるさくて無理ですね。

ときどき2羽が追いかけっこを始めます。
残念ながら、動きの激しい空中戦は動画に撮れませんでした。
縄張り争いと塒入りという相反する衝動がせめぎ合っているのでしょうか?
足輪を付けて個体識別したり血縁関係も調べられたら面白いことが分かるに違いありません。

撮影日の日の入り時刻は19:01。
日が暮れるときれいな夕焼けを背景に街路樹と電線に止まった鳥のシルエットがフォトジェニックです。
ハクセキレイの鳴き声も次第に聞こえなくなりました。
ようやくケヤキの枝に飛び込んで塒入りする瞬間を捉えることができました。

塒入りした後のハクセキレイの様子もなんとか動画に撮れました。
暗くなっても幸い水銀灯の明かりがあるため、ケヤキの梢に居る鳥の姿が辛うじて分かります。
警戒した一羽が隣の木に飛んで移動しました。
塒入りした木の下に鳥の糞が大量に落ちているかと思いきや、意外にもきれいでした。
近所の人が毎日掃除しているのか、それともハクセキレイは塒入りする木を毎日変えるのでしょうか?
夜間はあまり糞を排泄しないのかな?
ずっと見ている私に警戒して、いつもと違う木に塒入りしたのかもしれません。

wikipediaによると、ハクセキレイは

夜は近隣の森などに塒を取るが、市街地では建築物などに塒を取る様子も観察される。

『日本動物大百科4鳥類Ⅱ』p77によると、ハクセキレイは

日中は離れて採食しているが、夕方になると水田などの開けた場所に集まりはじめ、小集団で塒へ向かう。そして大木の枝や橋の下、市街地の街路樹や看板などに多数集まって眠る。ときには1000羽以上集まることもある。昼間は単独でないし小群で行動することが多いが、冬の夕方には多数が木の枝や看板などに集まって、塒集団をつくる。


『鳥はなぜ集まる?:群れの行動生態学』p37によると、(以下の記述は全てイスラエルのハクセキレイの研究結果
・ハクセキレイたちは、日本と違って密な植生にねぐらをとります。

・ハクセキレイたちはねぐら入りの30〜60分前にねぐらの近くに集まります。集まる場所はたいてい開けた場所が選ばれ、ハクセキレイたちは20センチメートルから1メートルの間隔をとって静かに集合します。「静かな密な群れ」が集合の引き金になっている。

就塒前集合をしているハクセキレイたちが観察者によって妨害されない場合はすべての個体がひとつのねぐらで眠るのに、妨害されたらいくつかのねぐらに分かれて眠る。


『マルチメディア鳥類図鑑』でハクセキレイを参照すると、
セキレイ類は、繁殖期以外にもなわばり(テリトリー)をつくって、侵入者を追い払う。鏡に映る自分をよそ者とまちがえて、体当たりするのだ。ところが夜は集団で眠る。暗くなるにしたがって闘争心がうすれ、夜は仲良く眠るのだ。


ストロボを焚かないと暗くて写真はぶれぶれ。

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