2012/12/19

カタグロチビドロバチ♀の営巣(その1:狩った芋虫の搬入と産卵)



2012年9月中旬

軒下(西面)の資材置き場に積み上げられた細い丸太の側面に開いた節穴に今年も借坑性のカタグロチビドロバチ♀Stenodynerus chinensis)が営巣していました。
楕円形の巣口をノギスで採寸すると、長径4mm、短径3mmでした。

下草のヤブガラシにいる蜂を接写してみたら、青虫を抱えていることに気づきました。
風で揺れるヤブガラシの葉に止まって休んでいます。
文献によると獲物はハマキガなどの幼虫を狩るらしい。
頭部を前に向けた芋虫の端を大顎で咥え、脚で体を抱え込んでいます。
後脚を擦り合わせて身繕い。

それにしても、風が吹いて接写しにくい日でした。
カタグロチビドロバチ♀が急に下草から資材置き場に飛び上がり、丸太の巣穴に獲物を搬入するシーンは撮り損ねました。
巣口から後ろ向きに出てくるとその場で向きを変え、お尻から中に入り直しました。
今季何日も定点観察したなかでお尻から巣に入ったのはこのとき一回だけなので、産卵行動と思われます。
また、産卵したということは育房に搬入した一匹目の獲物だったのでしょう。

巣口から蜂の触角が動いているのが見えます。
しばらくすると頭から出てきて外出しました。



今年も定点観察に通ってみます。
つづく→その2

ちなみに2011年に同じ軒下(南面)で観察した記録はこちら→「カタグロチビドロバチ♀の営巣開始(その1:巣穴の掃除と身繕い)




【追記】
一般にドロバチ科の産卵は狩りに先立って行われ、卵は巣の天井から意図で吊り下げられている。(『狩蜂生態図鑑』p82より)
今回観察した産卵順序は定説に反する気がします。

『本能の進化:蜂の比較習性学的研究』p259




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